ヴィーガンとは?動物愛護だけではなく社会問題と関係している理由

ライフスタイルの多様化が進むなかで、いまヴィーガンが注目をあつめています。ストイックな健康志向のイメージが強かった「ヴィーガン」。しかし、そこには社会問題との関係もあったのです。本記事では、ヴィーガンになる理由について、社会問題とからめて解説します。

ヴィーガンとは?

ヴィーガンとは、一体どういうものなのでしょうか?「ベジタリアン」と似たイメージをもっている人も多いはず。ヴィーガンの意味やベジタリアンとの違いを解説していきます。

ヴィーガンの意味

ヴィーガンには「完全菜食主義」という意味があります。ヴィーガンは、動物の命を尊重し、犠牲を強いることなく生活をするライフスタイル。

1944年に、イギリスでヴィーガン協会(The Vegan Society)が設立。ドナルド・ワトソン氏がこれを命名したことが、ヴィーガンという言葉の原点となりました。

https://vegsoc.org/info-hub/definition/

 ヴィーガンは、いまや世界中で採用されているライフスタイルです。

ヴィーガンの生活

ヴィーガンは、動物性のものを避けた生活をおくります。たとえば、食生活では肉・魚・乳製品・ハチミツ・卵など、すべての動物性の食品を口にしません。また、衣類や化粧品など身につけるものでは、動物性でないものや動物実験をしていないものを選びます。

そんなヴィーガンが、いま若い世代を中心に数を増やしているんです。イギリスでは、ヴィーガンの人口が2006年から2018年で4倍にも増加しました。

最近では、レストランやファストフードで、ヴィーガンのメニューが取り入れられています。スーパーでも、ヴィーガン認証された食品・お酒・化粧品も増えてきました。ヴィーガンになる環境が整ってきているんですね。

ベジタリアンとの違い

ヴィーガンとベジタリアンの違いは、生活における制限にあります。どちらも食事において、肉や魚を避けることは共通していますよね。

ヴィーガンは、卵・乳製品・ハチミツをふくむ食品を避けます。一方ベジタリアンは、卵・乳製品・ハチミツを食べます。このように、ヴィーガンはベジタリアンより制限が多いんですよ。

ほかにも、肉は食べずに魚介類を食べる「ペスカタリアン」。基本的には野菜を中心に食べ、たまに肉や魚も食べる「フレキシタリアン」や「セミベジタリアン」など。食生活にはさまざまなスタイルがあります。

ヴィーガンになる理由とは? 

なぜ、いまヴィーガンに注目があつまっているのでしょうか?そこには健康志向のほかに、私たちがかかえる社会問題も関係しています。ヴィーガンになるおもな理由を3つご紹介します。

ヴィーガンになる主な理由①:健康に配慮するため

ヴィーガンになる理由には、その食生活があげられます。肉を避けるヴィーガンの食事では、野菜が中心。雑食にくらべて、塩分やコレステロールが少なく、ビタミンや食物繊維が多いのです。

ヴィーガンの食事には、生活習慣病のもとになる塩分やコレステロールが少なく、ビタミンや食物繊維がとれるのがメリット。こういったことが、ヴィーガンになる理由のひとつになっています。実際に、学校給食や病院食でヴィーガンメニューが採用されていますよ。

一方で、ヴィーガンの食生活には課題もあります。たとえば、ビタミンB2の不足。皮膚や粘膜の再生をサポートするビタミンB2は、肉・魚・卵・乳製品に含まれています。しかし、ヴィーガンはこれらの食品を避けるため、摂取しずらいのです。

ヴィーガンの食生活には、さまざまな考え方があります。自分の体やライフスタイルにあわせて、少しずつヴィーガンの生活にしていくのも、ストレスが少なくてよいですよね。

ヴィーガンになる主な理由②:動物愛護に配慮するため

動物愛護もヴィーガンになる理由のひとつ。いま、畜産業での動物のあつかいが問題視されています。残念ながら、日本でも倫理に反する動物のあつかい方が行われているのが現状です。こういった問題をうけて、EUでは2021年から、狭いケージでの養鶏が禁止されています。

動物実験も、社会問題のひとつ。医薬品や化粧品の製造において、動物をもちいた実験が世界中で行われているのが現状です。人間がつかうものに、動物を搾取すべきではない。こういった考え方のもと、ヴィーガンは動物実験をした商品を避けて生活します。

ヴィーガンになる主な理由③:環境問題に配慮するため

環境問題に配慮するために、ヴィーガンになる人もいます。畜産業で排出される温室効果ガスは、2013年の時点で全体の14%。これには、牛から出るメタンガス・家畜のふん尿・輸送燃料などがふくまれています。さらに、家畜の飼育スペースのために森林が破壊され、森林の生態系にも被害が出ているのです。

また、漁業も環境問題に関係しています。特に問題になっているのが「混獲」。漁をしている最中に、対象でない魚がかかってしまうことがあります。なかには、絶滅に瀕するウミガメやイルカが傷つけられたり、死んでしまうことも。

このような問題を受け、海や陸の「資源を大切にしたい」という思いが、ヴィーガンへの転身につながっています。

ヴィーガンが社会的問題と関わっている理由:まとめ

ヴィーガンになる理由は、人によってさまざま。以前までの「ストイックでつらい」だけのヴィーガンは、変わりつつあります。健康や社会問題に向きあい、自分のライフスタイルを見つめ直すヴィーガン。あなたも試してみてはいかがでしょうか?

参照URL:ヴィーガンの歴史 by 日本エシカルヴィーガン協会

参照URL:菜食主義の日米比較 by 城西国際大学大学院

参照URL:Why go vegan by Vegan Society

参照URL:Are there health benefits to going vegan? by BBC

参照URL:ビタミンB2の性質と働き by 大塚製薬

参照URL:Being Vegan: Healthy and Humane by PETA

参照URL:卵の値段が上がるかも!?“アニマルウェルフェア”って何? by NHK

参照URL:欧州委、畜産業のケージ使用禁止を法制化すると表明(EU)by JETRO

参照URL:NO! 動物実験ーラッシュは化粧品のための動物実験を反対しています by LUSH

参照URL:Is a vegan diet better for the environment? By BBC

参照URL:Veganism and the Environment by PETA

参照URL:持続可能な漁業の推進 by WWF

参照URL:なぜ混獲が問題なのでしょうか? by MSC

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Mentally 編集部
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