カウンセラーの生の声を聞ける機会はなかなかないと思います。そこでMentally編集部では【恋と結の相談所and people】のカウンセラー田口さんにご協力いただき、どのような想いでカウンセラーの仕事をしているのか話を聞いてきました。
「一人の幸せを応援し、そこから更なる幸せを広げて欲しい」と願う田口さん。彼女の話は「これからカウンセリングを受けたい」と考えている方に、十分に参考になると思います。是非、最後までご覧ください。
田口 とも さん JBSA認定LCIQ診断士/臨床心理士/公認心理師
幼少の頃から『癒し』に興味があった

編集部
最初に自己紹介をお願いします。
田口さん
これまで、大学病院の精神科・地域に根ざした心療内科・秘密基地のようなカウンセリングルーム等にて、心理検査・個別カウンセリング・集団療法を担当してきました。様々なケースを対応する中で、クライアント本人はもちろん、その“家族”と話をすることも大切だと感じました。
もっとも身近な家族であるパートナーと良好な関係であることは心身の健康を高め、それは自他へ好循環を促します。まずは一人の幸せを応援し、そこから更なる幸せが広がればと願い、【恋と結の相談所and people】を立ち上げました。現在は心理業務と並行し、相談所の運営にも力を入れています。
“癒し”に興味を持ちカウンセラーに
編集部
カウンセラーをはじめたきっかけを教えてください。
田口さん
私は祖母の他界から数ヶ月後に生まれました。そんな私は、悲嘆に暮れる家族にふわりと笑顔をもたらす癒しの存在だったそうです。このような話を幼い頃から頻繁に聞いていたためか、“癒し系”の事柄が好きでした。
そこから次第に臨床心理学の面白さにのめり込み、学びの過程では泣いたり笑ったり、激しくもがきながら、心理士を志しました。
家族の相談、自分を変えたい相談が多い

編集部
田口さんの元にはどのようなご相談が多いのでしょうか?
田口さん
複数の機関で心理業務に携わっているため、性別問わず乳幼児からご高齢の方まで幅広い年代を対象に、多岐に渡るご相談内容に対応しています。
どのような相談にも問題の中心とみなされている人のその周囲の存在があり、私は周りも大事にしたいと考えているため、家族相談を承ることが多いです。家族単位で頑張ることが正解とは限らず、各々が適切な距離をとっていけるよう心理的な介入をすることもあります。
【恋と結の相談所and people】では、恋活・婚活中の方、既婚でパートナーとのより良い関係を望んでらっしゃる方などのご相談を承っています。思うように事が進まず辛い経験をしても、相手や周囲に変化を求めるのではなく、「自分を変えたい」と意欲的に相談くださる方が多いです。
臨機応変なカウンセリングの提供を心がけている
編集部
具体的なカウンセリングの仕方を教えてください
田口さん
特定の技法や療法にこだわらず、目の前のクライアント様に適したものを臨機応変に提供したいと考えています。できる限り希望が叶うような方向性を、複数の選択肢の中から共に検討します。
また、表に出ている問題(例えば、飲酒量の自己調整ができない)を一時的に解決したように見せるのではなく、その背景にある問題や苦しみ(例えば、家族と不仲で孤独を感じる、仕事がうまくいかず自信をなくしている等)にも安心して目を向けていけるよう心がけています。
【恋と結の相談所and people】では、日本ブライダルソムリエ協会のLCIQ診断(恋愛能力診断)の結果をもとにカウンセリングを進めます。LCIQを構成する6つの要素のバランスをみながら、知識と実践を通して能力の定着と向上を図ります。
安易なモテテクの伝授ではなく、まずは自分自身を大事に思う気持ちを育み、一人ひとりの性格傾向にあったオーダーメイドの時間であることがand peopleのカウンセリングの特徴です。こちらがとても好評で、「離婚寸前の夫婦仲を改善できた」「ずっと苦しんできた過去の失恋を成長できる別れと捉えることができ、やっと前に進めた」など嬉しいお声をいただいています。
私の元を離れて巣立つまでのサポート

編集部
カウンセリング中に心がけていることはなんですか?
田口さん
まずは、私を安心して話せる相手だとみなしてもらうことが欠かせません。「どのような気持ちも素直に出して大丈夫」と思っていただける場でありたいと思っています。そして、伴走する感覚を私は大事にしています。指示・指導・教育という上下の感覚ではなく、一緒に・共に・並んで、という隣にいる感覚のことです。
また、いつまでもカウンセリングでしか相談できない状態は望ましくなく、巣立ちのサポートも丁寧にするよう心がけています。いつの日か私ではなく日常生活の中で周りの人に頼ったり甘えたりできるようになると、私はそれを共に喜んで、役目を終えています。
“ほどほどが苦手な人”は注意
編集部
カウンセリングを頼られる方に特徴があれば教えてください。
田口さん
こころの不調は誰にでも起こることです。いつもモリモリ元気な人であっても、いろいろな要因が複雑に絡み合って、じわりと不調が出てくることもあります。ですので、こういう特徴のある方は要注意!などお伝えすることは難しいのですが、あえて挙げるなら、“ほどほどが苦手な人“です。
何事にも全力を出しすぎてしまったり、問題が起きると一人で抱え込みすぎてしまったり……ほどほどに頑張りほどほどに手を抜く、そのような楽な生き方が苦手な傾向があると感じます。
周囲の目を気にし過ぎてしまうと心の悩みを抱えやすい

編集部
心の悩みを抱えやすい方に特徴はあるのでしょうか?
田口さん
“ほどほどが苦手な人”は、“カンペキが得意な人”とも言えますが、悩みや不調を引き起こすのはその完璧さに他者評価が伴っている場合が多いように感じます。
何をするにも周囲の目を意識しすぎてしまう、評価が下がることを恐れ失敗を徹底的に回避するなど、ほどほどであれば良いことも、過剰になると莫大な精神的エネルギーを費やすことになります。これではプシュっと息を抜くエネルギーも足りず、不調を長引かせてしまいかねません。
完全に改善しなくてもうまく付き合っていけるのならOK
編集部
改善までにかかる期間(目安で結構です)を教えてください。
田口さん
身体の不調と違い、こころの不調は何をもって改善できたとみなすかが定まりにくく、心理士としてももどかしく感じることがあります。3ヶ月・6ヶ月・1年……と数ヶ月おきに「今の自分はどのくらいいい感じか」と振り返ります。
その時に、「〇〇についてはとくに改善してないけど、それでもいいと思えるようになった」「どうにかうまく付き合えそうな程度には改善している」と捉えることができたら、その調子でOK!ということもあります。
編集部
なるべく心の悩みを抱えないように、普段からできることがあれば教えてください。
田口さん
モヤモヤが小さいうちにふわふわ外へ出してみると、ドッカーンと爆発したりペッチャンコにつぶれたりするのを防ぐことができます。“ふわふわ外へ出す”とは、存分にグータラしたり、テキトーにサボったり、愚痴ったり、たくさん泣いたりすることです。また、ゆっくりぐっすり眠ることも大事です。
あと少しの勇気を出して欲しい

編集部
最後に、カウンセリングを迷っている方に向けて、一言アドバイスをお願いします。
田口さん
「話したら楽になった」「話しているうちに視野が広がってきた」というお声を多々いただきますが、そこに至る第一歩目が、本当に勇気のいることだろうと思います。
カウンセリングは、そのまんまのあなたで大丈夫な時間と空間です。「こんな話をしてもいいのか……」「こんな気持ちは誰にも言えない……」と飲み込んで苦しくなる前に、ほんの少しずつでも話してみませんか。
編集部
今日は貴重なお話をしていただき、ありがとうございました。
田口さんのカウンセリングを受けたい方へ
【恋と結の相談所and people】のHPまたはメールで予約を受け付けています。メールは(andpeople.marriage@gmail.com)まで。無料で行われている恋愛能力診断(LCIQ診断)も、お気軽にご利用ください。今なら診断後、公式LINEに登録すると初回カウンセリングをプレゼント中だそうです。