最近、「自己肯定感」という言葉をよく耳にするようになりましたよね。「自己肯定感を高めて、仕事を成功させる!」「自己肯定感が低い人はうつになる」のようなキャッチコピーを一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?ここでは自己肯定感とは何かからはじまり、自己肯定感を高めるメリットや高めるための方法などをご紹介します。
そもそも自己肯定感って何?

自己肯定感の言葉を分解すると「自己を肯定する」の意味だわかります。「自分を認める感覚」のことです。
自己肯定感の意味を聞いて「失敗しても自分を認めるの?失敗から学べない人になりそうで怖い」と思う方もいるのではないでしょうか?私は実際そう感じていました。
自己肯定感が高い人はプライド、自尊心も高い人?……このような疑問も浮かびますよね。その疑問に答えるべく、まずはプライド、自尊心と自己肯定感の言葉の関係に答えていこうと思います。
プライド、自尊心、自己肯定感の意味
プライド、自尊心、自己肯定感の意味を広辞苑で調べると、プライドとは『誇り。自尊心。自負心。矜恃』と記されています。
一方、自尊心は『自尊の気持。特に、自分の尊厳を意識・主張して、他人の干渉を受けないで品位を保とうとする心理・態度。プライド』と。また、自己肯定感に関しては、広辞苑には記載されていませんでした。
さらに学術論文を調べていくと、自尊心はセルフエスティーム(Selfーesteem)といい、広辞苑とは違う意味で定義されていました。
日本セルフエスティーム普及協会によると自尊心( Self-esteem)について、こう記されています。
ありのままの自分をかけがえのない存在として肯定的、好意的に受け止めることができる感覚」のことで、(省略)自己認識が自己肯定感を決定づけています。
ここまでを総合して考えると、学問的には自尊心=プライドではなく、自尊心=自己肯定感の意味で用いられるようです。
自己肯定感が高い人の3つの特徴

まずは自己肯定感が高い人の特徴を3つ紹介します。何個自分に当てはまるのか、ぜひ数えながら読み進めてみてください。
自己肯定感が高い人の特徴①:行動力がある
自己肯定感が高い人は仕事や友人関係などにおいて主体的な行動力があります。そのため、自己肯定感が高い人は周りから信頼され、頼られたりするため、成功しやすいのです。
自己肯定感が高い人の特徴②:失敗を恐れずにチャレンジできる
失敗を恐れないということは、失敗を失敗のまま終わらせない。自己肯定感の高い人は失敗しても「自分はダメなんだ」と思うのではなく、「何が悪かったのか?どうしたら改善できるのか」を考えます。策を練り直し、再び挑戦する人も多いでしょう。またしても成功しやすそうな人の特徴です。
自己肯定感が高い人の特徴③:素直
自己肯定感が高い人には自尊心があり、自分のことを肯定的に認めることができます。だから、人から褒められたときは素直に心の底から「ありがとうございます」と言えるのです。
怒られたり、指摘されたときは「分かりました」と反省すべきことは反省して素直に動けます。だからと言って、YESマンではありません。反省すべきところを反省するだけであって、理不尽な叱責や命令に関しては自分を守るための行動ができます。嫌なものは嫌だと素直に言えるところも自己肯定感の高い人の特徴です。
以上3つが自己肯定感の高い人の特徴です。あなたは何個当てはまりましたか?
自己肯定感が低い人の特徴

続いて自己肯定感の低い人の特徴です。こちらも3つ紹介しましょう。
自己肯定感が低い人の特徴①:他人と自分を比較する
ライバル心が高いのではありません。他人の自分よりも優れている人箇所ばかりに目がいってしまい、「A子さんは、あんなに褒められているのに私は全然ダメだ」と悲嘆しがちなのが自己肯定感の低い人の特徴です。たとえ自分にも良い部分があっても、素直に良い部分を認められない。自肯定感が低い人には、こういう人が多いです。
自己肯定感が高い人の特徴②:承認欲求が高い、依存しやすい
自己肯定感が低い人は常に誰かに認めてもらえないと不安を感じやすいです。最近話題にもなったSNS中毒も自己肯定感が低い人の特徴でしょう。
SNSを眺めながら「いいねが少ない」と不安になったりしませんか? メールの返信が返ってこないと不安になり、他のことに全く手が出せなくなったりしていませんか?
もしも心当たりがあるのなら、あなたの自己肯定感は低いのかもしれません。
自己肯定感が高い人の特徴③:人と遊ぶと疲れる
自己肯定感が低い人は常に周りの目を気にしてしまい、空気を読むことばかり考えてしまいます。また、意外と感じるかもしれませんが……自己肯定感が低い人には完璧主義者が多いです。必要以上に自分をよく見せがち。そのためか、自己肯定感の低い人は家に帰る頃には常に疲労困憊なんてこともよくあります。毎日のように気疲れしてしまうのでしょう。
以上、3つの自己肯定感が低い人の特徴を紹介しました。ここまでの情報から、自己肯定感が高い人の特徴ではなく、自己肯定感が低い人の特徴に、より当てはまってしまった人も多いでしょう。
でも、自己肯定感は自分で高められます。最後に自分で自己肯定感を高める方法をお伝えするので安心してください。
自己肯定感を上げる方法

では、自分で自己肯定感を高める3つのワークをご紹介します。
自分で自己肯定感を高めるワーク①:自分の感情に気付くためのワーク
今日あった嫌な事、不安な事をまず紙に書き出しましょう。そして、その出来事に対しての感情を書きます。悲しかったのか、辛かったのか、腹が立ったのか、めんどくさかったのか、怖いのか……。できるだけ素直に書いてくださいね。
自分の感情を隠して自己肯定感が高い人を装うのは、かえって逆効果。ネガティブな感情も認めてあげれるのも自己肯定感の一つです。
大事なのは必ず紙に書き出すこと。紙に書けば文字が認識できるので、まるで誰かに悩みを話したときのような効果が得られます。
自分で自己肯定感を高めるワーク②:友達にアドバイスするように自分にアドバイスをする
たとえば、あなたが仕事で失敗をして上司に怒られたとします。辛いですよね。さて、そこで考えてみて欲しいのですが……もしも仲の良い友人があなたの立場だったら……つまり、友人が上司に怒られている現場をあなた目にしたら、どうしますか?このような言葉をかけるのではないでしょうか。
「さっき上司に怒られていたね。失敗することもあるよ、人間なんだもん。次その失敗をしなければいいだけだよ」
きっと、友人はあなたの言葉に救われるでしょう。
ここまでを理解できるのなら、同じ言葉を自分にかけてあげてください。たとえ自分でかけた言葉でも、その言葉はあなたの救いになります。必要以上に自己肯定感を低くせずに済むでしょう。
自分で自己肯定感を高めるワーク③:瞑想をする
自己肯定感の低い人には、不安や悩みを何度も何度も繰り返して考える癖があります。不安や悩みばかり考えてしまうのは、意識が「今」を向いていないからです。「今」ではなく、「過去」や「未来」のことばかり考えてしまうから不安になり、悩みを抱くのです。
でも、一番大事なのは過去でも未来でもなく「今」です。「今」と向き合うためのトレーニングを行うと良いでしょう。そのために有効なのは、瞑想です。瞑想は「今」に意識を向ける「心の筋トレ」と言われています。瞑想を通じて、過去や未来のために悩んでいた時間を「今」にあててください。集中して瞑想を行えば、自分の「今」に対する感謝があなたの心から芽生え始めます。自然と、自己肯定感や自尊心も高まっていくのです。
自己肯定感の高め方:まとめ

一般的に「自尊心」という言葉は、プライドと同じようなネガティブな意味で使われることが多いです。しかし、学問的には「ありのままの自分をかけがえのない存在として肯定的、好意的に受け止めることができる感覚」とのこと。つまり、学問的には「自尊心」と「自己肯定感」が同じような意味で使われています。
自己肯定感を高めれば、失敗を恐れずにチャレンジできるようになるでしょう。たとえ失敗をしても、失敗を元にして成功へと導けるようになります。挑戦を繰り返すあなたを周囲は認めてくれるでしょう。もちろん、信頼も得られます。また、自分で自分を大切にしてあげられるようにもなります。
もしもあなたが自己肯定感の低さに悩んでいるのなら、ここで紹介したワークや瞑想を試してみてください。焦らずに自分のペースで良いです。ワークや瞑想があなたの習慣になれば、今まで「私にはできない」と感じてきたものも「やってみないとわからない」へと変わりますよ。やがて、「やってみないとわからない」は「私ならできる」へと変わるでしょう。そう思えたとき、あなたは自己肯定感を高めた自分に気づけます。