不安

情緒不安定とは?心理的な要因と治し方を解説

情緒不安定かも……そんな自覚がある人は要注意。あなたの予感はおそらく当たっているでしょう。また、自覚がないまま情緒不安定になってしまい、周囲から「あの人は情緒不安定だから……」と思われている可能性もあります。ここでは情緒不安定の心理的な要因と治し方を解説します。是非、ここでの情報を頼りに心の健康を取り戻してください。

そもそも『情緒』とは?

瞑想

心理学用語における「情緒(じょうちょ)」とは「情動(じょうどう)」のこと。つまり、「情」が「動く」ことであり、急に呼び起こされたり減衰したりするものを指します。

私たちは嬉しさ、楽しさ、怖さ、苦しさ、悲しさなど様々な感情が次々と湧いては消えています。そして、その感情の変化は呼吸や鼓動、血圧等、身体の「動き」も生み出し、それらはまるで1つの大きな生命体のように連動しているのです。

波と命と精神

命は、動き続けています。例えば、泳ぎ続ける魚、海底で波に揺られている珊瑚、サバンナを移動するヌーの大群、海洋を渡るツバメたち。そして、私たちの心臓、呼吸、体温も、常に動いています。躍動しているもの。波があるもの。「情緒」について考える時、この「波があってもいい」という理解とイメージがとても重要です。

情緒とは動き続けているもの。止まっていないもの。つまり、「情緒が安定している」のは決して一定値が続いている状態ではないのです。

情緒不安定とは

海をイメージして下さい。揺れる波が、生き物の生命を豊かに育んでいます。人も感情が揺れるからこそ、又、それに伴って身体も変化するからこそ、変化に柔軟に対応して命を繋いできました。

しかし、その海の波も嵐のような状態が長く続くなど過剰な負荷がかかると、時に不都合な影響を受けます。そして、私たちの情緒も、あまりにも対処しきれない負荷には、自分でバランスをとれないような状態になり得ます。その状態を、「情緒不安定」と言うのです。

では、私たちがそのような情緒不安定になった時、どのような方法で機能する波に戻すことができるのでしょうか。

情緒不安定から抜けるための5つの方法

階段

「情緒不安定」の状態から抜ける方法。ここでは、心理学や脳科学を根拠にしたものを、具体的に5つご紹介します。

情緒不安定から抜けるための方法①:「情緒安定」のメリットを書き出す

情緒が安定すると人生にどのようなメリットをもたらすと思いますか。ノートに書き出して下さい。書き出した言葉と以下の言葉を脳に教え直すイメージで読み上げます。

  • 「情緒不安定で得することは無い」
  • 「情緒が安定すると、できることがたくさん増える」

脳は幼いころ、命にとってメリットがあると感じ取った経験を、自身にとっての「生きる術」として潜在意識に記録します。そして、大人になってからも、その記録を信頼してふるまいを決めるのです。

つまり、いま情緒不安定であるとしたら、それは潜在意識がそうなることにメリットを感じて選択した結果。例え、顕在意識では望んでいなくとも……です。しかし、心理学はその「生きる術」を書き換えることを可能としています。大人になってからでも、脳に新しいことを教え直すことができるのです。

情緒不安定から抜けるための方法②:情緒が安定した先をイメージする

情緒が安定したら何をしたいですか。ノートに書き出して下さい。書き出したことに、少しでも安心したりワクワクしたりしたら、その気分や体感を味わいます。

不安定を「治したい」「克服したい」と思うと、脳は「反対命令」と言う作用で不安定な状態を、より強化します。「不安定」を「安定」に変える為に有効なのは「安定した状態」や「安定した先」をイメージすることなのです。

潜在意識は、多く味わう体感に現実を合わせようとします。つまり、安定しているイメージが増す程、安定でいようとする力が働くのです。

情緒不安定から抜けるための方法③:意図的な自分への質問をする

木漏れ日

夜、寝る前に1日を振り返って良かったこと(自分のこと、出来事、他者のことなど)をノートに書いたり頭に浮かべたりします。1日3つだけと少なく設定すれば、毎日続けやすいでしょう。

脳には「可塑性(かそせい)」があり、何歳になっても思考回路が作り変わることが近年の脳科学の研究でより明らかになってきました。そこで、毎日プラスのことに意識が向く質問を意図的にします。すると、その意図した思考に繋がる回路が太くなるのです。

情緒不安定から抜けるための方法④:食の影響力を味方にする

甘いものを食べる量を減らします。料理で使用する白砂糖を精製されていない砂糖(てんさい糖など)に換えると良いでしょう。

白砂糖の採り過ぎは、メラトニンの分泌を遅らせて良質な睡眠を妨げたり、気持ちを不安定にしたりすると医学の様々な研究で警告されています。

「砂糖類が多量に入った清涼飲料水や、塩分や脂質が多いジャンクフードを摂取し続けている人は、脳の記憶力や抑うつのコントロールにも関係している「海馬」が萎縮するという研究結果があります」

(医師 大西睦子さん)

食で心や身体を整えていくことは、分かりやすくとても有効です。

情緒不安定から抜けるための方法⑤:オキシトシンが分泌される行動を取り入れる

朝陽を(額に)浴びること。散歩をすること。軽い運動をすること。呼吸法や瞑想を毎日1分取り入れること。これらを意識してみてください。

オキシトシンとは、身体から分泌される安心ホルモン。興奮ホルモン(ドーパミンやアドレナリン)が過剰な状態になることを抑えます。つまり、思考を介さずに分泌物によって身体を安心の状態にするのです。

これからの自分のために

親子

私たちの精神は、私たちが思う以上に小さなトレーニングで変わります。ただし、変化の為に重要なのは例え1分でも1回でも毎日行うこと。そして、その実践をする時の感情を大切に扱うことです。何故なら、脳には恒常性(ホメオスタシス)と言って、同じ状態を保とうとする性質があります。

今日から、できることを始めませんか。そうすれば、今以上に情緒が安定した暮らしや豊かさが増した暮らしを、あなたは手にできるでしょう。

この記事の著者

Mentally 編集部
Mentally 編集部 Posted on

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