戦後の昭和20年代、日本人の平均寿命は50歳ほどでした。当時の尺度で考えれば、40代は人生の終盤です。しかし、現在は『人生100年時代』。40代はまだ折り返し地点ですらありません。それなのに、もう人生を半ば諦めたように「生きていてもつまらない」と嘆く40代が急増しているようです。
何故、40代を迎えると人生をつまらなく感じやすいのでしょうか?ここでは、人生をつまらなく感じる40代が増えている要因ならびに、今後の人生を楽しむためのコツを紹介します。
40代の人生がつまらない5つの要因

40代の人生がつまらない要因①:自分軸で生きていない
人の生き方は、大きく2つに分けることができます。1つは自分軸の生き方。そしてもう1つが他人軸の生き方です。「人生がつまらない」と嘆く人のほとんどが、他人軸の生き方をしてしまっています。
自分軸と他人軸
自分軸と他人軸について、簡単に説明をしておきましょう。自分軸とは、自分自身を満たすための行動をすることです。一方、他人軸は、自分以外の誰かの価値基準に沿って行動をします。「認められたい」と思う気持ちが強いと、他人軸の生き方になりやすいです。
しばらく前から「自分軸で生きよう」の風潮が増え始めました。そのような風潮が起きたのは、他人軸で生きる人が多いからです。他人軸で生きつつ「辛い」「疲れた」と感じる人が増えたからこそ、自己啓発やメンタルケアのジャンルで自分軸での生き方が叫ばれ始めたのです。
自分軸と自己中の違い
自分軸での生き方を推奨しているわけですが……自分軸はときに『自己中』と誤解されやすいようです。自分軸と自己中は語感こそ似ているものの、意味はまったく違います。もっともわかりやすいのは、他人への干渉の違いです。
自分軸は他人の思考に干渉はしません。あくまで個を尊重するからです。一方、自己中は自分の思い通りに事を動かしたいため、他人をコントロールしようとします。つまり、自己中は他者を尊重してはいないのです。これまで他人軸だった人が急に自分軸を目指そうとすると、自分軸ではなくただの自己中になってしまう恐れがあるので、この点には注意してください。
40代の人生がつまらない要因②:過去の経験

40代ともなると多くの人がさまざまな経験を積んでいます。しかし、皮肉なことにこれまで重ねた経験があなたの人生をつまらなくさせてしまう要因にもなってしまうのです。
何故なら、過去の経験には失敗経験もあるから。若かりし頃には経験がないため、無謀とも言えるような勢いがあったでしょう。でも、挑戦しても失敗した……そんな経験をあなたはいくつか味わっています。そのため、「どうせ、挑戦してもだめでしょ」と諦め半分の気持ちになりやすいのです。
経験を重ねるほど臆病になっていく
たとえ無謀であっても挑戦しなければ成功するはずはありません。しかし、挑戦する前からハッキリとした勝算が見えていないと、そもそも行動しなくなってしまったのではないでしょうか。経験を重ねれば重ねるほど、人は臆病になっていきます。
世の中を知らないほど若くはない。しかし、「失敗してもいい」と悟れるほど成熟してはいない。それが40代という年頃なのかもしれません。過去に経験した失敗や挫折が、あなたの行動力を奪っているのです。行動しない人生が「面白い」と思えるはずはありません。
40代の人生がつまらない要因③:安定してしまった
人は安定を求めますが、安定を退屈とも捉えやすいです。40代になると定職に就き、結婚をし、子供を育てている人も少なくありません。住宅ローンを抱えている人も多いでしょう。すると、自分以外にも守らなければならないものが増えます。たとえ挑戦したくても、落ち着いて冷静に考えてしまえば、守りに入らざるをえない。そういう人も多いのです。
このケースの一番の問題は、人生がつまらない理由を他者のせいにしてしまうこと。「結婚しているから挑戦できない。つまらない」「子供がいるから挑戦できない。つまらない」「住宅ローンがあるから挑戦できない。つまらない」……こう考えてしまうのです。
安定すると人生の先が見えてしまう
冒険しない理由、挑戦しない理由を自分ではなく他者に押し付けているため、不満は募っていく一方でしょう。「つまらない」と感じるのは、自分のステージを変えるべきサインであることが多いのですが、動けないのです。40代で動けない人が、50代で動けるはずはありません。本人にもそう予測できます。すると、人生の先が見えてしまうのです。
満足できない日々に対して「こんな毎日をあと20年間も繰り返していくのか……」と感じてしまえば、地位や家族などの『守りたいもの』が、お荷物にしか感じられなくなります。安定を手に入れると、人生の先が見えてしまうのかもしれません。
40代の人生がつまらない要因④:時間やお金がない

一方、まだ人生が安定していない40代も大勢います。定職に就きたいのに就けない。結婚したいのに結婚できない。今の世の中、そういう人も少なくはありません。安定していない人の多くは時間もしくはお金が足りない人、あるいは両方足りない人がほとんどです。時間もお金も、楽しむためや挑戦するためには必要不可欠……そう考える人がほとんどでしょう。常に何かに追われている状況では、人生を楽しむ余裕を持つのが難しいのです。
安定しても「つまらない」と感じてしまい、安定しなくても「つまらない」と感じてしまうのが40代なのかもしれません。
40代の人生がつまらない要因⑤:視野が狭い
人は年齢を重ねると少しずつ視野が狭くなり、まわりが見えづらくなります。自分の価値観が形成され、新たなものを吸収しづらいのです。まだまだ身体は元気な人は多いでしょうが、物事への関心や好奇心は衰えているため、見た目は若くても中身は老人のような40代も多いのです。
たとえば、10代や20代が夢中になっているものを、よく知りもしないまま「くだらない」と切り捨てていないでしょうか。若い頃だったら、周囲が夢中になっているものがあれば自然とあなたも興味を惹かれていました。しかし、今は違います。新しいものが出てきても、興味を持てないので、よく知らないまま疎遠になってしまいます。そして、事あるごとに「昔は良かった」です。昔が良かったのではありません。若い頃のあなたが良かったのです。
40代が人生を楽しむための4ステップ

ここまでで、40代の方が人生をつまらないと考えてしまう要因はわかりました。要因を知ったのなら、それらに対する解決策も知るべきです。
人生を楽しむためのステップ①:「つまらない」を受け入れる
毎日「自分の人生つまらない」と思うことは、もちろん良いことではありません。でも、まずは現在の状態を受け入れることです。ネガティブな気持ちで「つまらないとばかり考えていてはダメだ……」と悩むのではなく、「今の自分は、現状をつまらなく感じているんだな」と客観的に見てみましょう。
すると、焦ったり悩んだりするのではなく、冷静な目で解決策を考えるようになります。悩みや不安は当事者よりも第三者のほうが、フラットな目で解決策を考えられるものです。
人生を楽しむためのステップ②:ネガティブ発言をやめる

「今、人生をつまらないと感じている」と現状を受け入れられたら、次はネガティブな発言をやめることです。思ってしまうのは仕方なくても、発言をやめるのはすぐにできるでしょう。
- 毎日つまらない
- 何か面白いことない?
- お金がない・時間がない
- 挑戦したくてもできない
- でも・だって
このような発言を極力控えてください。言霊という言葉を聞いたことがあると思います。言霊とは『言葉には力が宿っているため、発した言葉のとおりになってしまう』というもの。ネガティブ発言が多ければ、ネガティブな結果になりやすいのです。
また、ネガティブ発言が多いと他の人が近づいてきません。少なくても人生を楽しんでいる人や、楽しみたい人からは敬遠されてしまいます。本来なら関わるべき人から敬遠されれば、またあなたの人生がつまらない方向へと向かってしまうのです。
人生を楽しむためのステップ③:素直になる
「つまらない」を受け入れること。ネガティブ発言をやめること。ここまでは比較的簡単にできますが、ここから先は少し難しくなってきます。テーマが『素直になる』だからです。
これまで素直な気持ちで生きてこなかった人が、急に「素直になって」と言われてもなかなか抵抗があるでしょう。また、「あなたは素直じゃない」の言葉そのものに反感を抱く人も少なくありません。でも、反感を抱いている自体、素直ではない何よりの証拠です。「今の自分は素直じゃない。人生を楽しむために素直になろう」と受け入れられる人は、これからいくらでも自分の人生を楽しいものに変えていけます。
さて、素直になるためのコツですが……なんでも一度は受け入れることです。とくに下の世代の言葉を積極的に受け入れると良いでしょう。何故なら、人生をつまらなく感じる人は発信元が下の世代というだけで、これまで受け入れを拒否していた可能性が高いからです。
人生を楽しむためのステップ④:変化を求める

「つまらない」と感じるのなら、何かを変えていかなければなりません。もちろん、人には変えられるものと急には変えられないものがあります。たとえば、仕事や環境。これらを変えればあなたの生活が激変するでしょう。しかし、簡単に変えられるものではありません。
続いて、人間関係。あまり深く関わってこなかった人との交流を深める。これは、多くの人にとって『できること』であり、効果も期待できます。ほんの少しの勇気で実現できるでしょう。しかし、自分一人の問題ではないこともたしかです。
できるところから手をつけよう
もっと簡単なのは、あなたの生活スタイルを変えること。起床時間や睡眠時間、定期的な運動、食事の仕方などです。これらの改善が成功すれば、あなたの身体が健康的になり『できること』が増えていきます。また、時間の余裕も生まれやすいでしょう。時間の余裕が生まれれば、新しいことに挑戦する時間も作れますね。
一番簡単なのは、日常の中のちょっとした変化です。たとえば、いきつけのコンビニを変えてみる。家から駅まで歩くルートを変えてみる。髪型を変えてみる。これまで当たり前だと思ってやっていたことの多くは、変えられるものです。
「そんなことで何が変わるのか?」と疑問を抱くのなら、それは素直になれていない証拠です。一度受け入れて、実際に行動してみてください。そうすれば、あなたの毎日に小さな発見が積み重なっていくでしょう。小さな発見は、あなたの可能性を広げてくれます。可能性が広がれば、あなたの人生が楽しくなるきっかけも生まれやすいのです。
40代が人生をつまらないと感じる要因:まとめ

「つまらない」と感じるのは、誰のせいでもなくあなた自身のせいです。つまり、「つまらない」は、あなた次第でいくらでも変えられます。もちろん、全てを変えるのは難しいでしょう。でも、変えられる部分さえ変えずに「つまらない」と嘆くだけでは、本当につまらない人生になってしまいます。
あなたの人生は、あなたのもの。なるべく納得できる形で毎日を送れるように、これから意識してみてください。ここで紹介した『人生を楽しむためのステップ』が参考になれば幸いです。