自信

人の目が気になるのは自意識過剰?それとも自信がない?

人の目を気にせず、伸び伸びと自分を生きていくことができたらどんなにいいだろうと思ったことはありませんか。たとえば……「この新しい提案を同僚は何と思うだろう」とか「この仕事を辞めたら世間にはどう映るだろう」とか「あの髪型にしてみたいけど友達は何と言うだろう」とか、常に人の目が気になってしまうと、生きづらいですよね。

私たちは何故、マイナス感情を伴ってまで人の目を気にしてしまうのでしょうか。自意識過剰だからでしょうか。それとも自信がないからでしょうか。ここでは、人が人の目が気になる仕組みを、心理学や脳科学を元に検証し、打開策を見出していきます。

脳はメリットを選択し続ける

波紋

私たちは毎日、自分の意思で能動的に生きているように感じます。しかし脳科学的に見ると、真実は意思も行動も9割以上が自動反応。つまり、意図的に立ち止まらない限り、人は受動的に生きているのです。

もう少し詳しく説明すると、人は幼い時に自らの体験を材料に「命を守る為により有効な思考や感情のパターン」を創り上げます。

何故なら、人が外部から受け取る情報(刺激)は、毎秒4,000億ビット。もの凄く膨大な量です。脳はその情報をパターンで分類したり予測したりして、迅速に対応する方法を見出します。そうして私たちは、幼い頃に習得した「パターン(マイルール)をまるでスキャナのように常設して、入ってくる情報(刺激)をそのスキャナに照らし合わせて処理するのです。

赤ちゃんが人の目を気にしない理由

つまり、「私は、心からそう思いました」と感じることも脳科学的に読解すると……「私は、その思いを生み出すパターンを幼い頃の学習により設置し、無事に機動しました」になります。

ここで重要なのは、脳は命の為にメリットがあると感じたことを選択すること。つまり、「人の目が気になる」のは、「人の目を気にすることで、メリットを得てきた」からです。その証拠に、赤ちゃんは人の目を気にしません。

人の目が気になることのメリット

呼吸

人の目を気にすることで、私たちはどのようなメリットを体験してきたのでしょうか。以下、メリットを得たと仮定して予想を立ててみます。

  • 自分を守る為の情報を収集することができ、助かった経験
  • 警戒することで、身を守ることができた経験
  • 周りの意見を優先することで、自己選択をしないで済んだ(それを楽と感じた)経験
  • 周りの意見に責任転嫁することができた経験
  • 決断しないで済んだ経験

このように予想を立ててみると、確かにメリットもありそうです。その上、幼い時だけではなく、今現在も以下のメリットが予測できます。

  • 脳が警戒態勢である場合、思考との照合がとれている。(一致感)
  • 「私には決める権利がない」「私は非力だ」というパターン(マイルール)を強化することができている

しかし、これらのメリットは無意識の領域なので実感しにくく、私たちはデメリット(消極的になる、行動力がなくなるなど)を何とかしたいと感じるのです。

プラスとマイナスを併せ持って、プラスにしていく

蝶々

続いて「人の目が気になること」から、人生を豊かにする5つの視点を提案します。

①責める必要は無いことを知る

あまりに人の目が気になって仕方ない人は、ときに自分を責めてしまうかもしれません。でも、人の目が気になるのは、脳が命を守るために選択していることです。心理学や脳科学の観点からそう理解すれば、たとえ人の目が気になったとしても「脳が私を守ろうとしている」と自分を責めずに済むでしょう。

②脳の自動反応に教えるイメージ

  • 「人目を気にすることで幼い時は助かったかもしれない。だけど、大人になった今は不必要なものを手放すことができる」
  • 「大人になった今、有効なスキャナを選択し直すことができる」

このように脳の自動反応に自分の意思を訴えると、人の目が気になる自分を冷静に見られるでしょう。

③リフレーミング(マイナスをプラスの捉え方に換える)をする

  • 「周りから情報を集めたんだな」
  • 「周りを把握した。それを自信に変えよう」
  • 「緊張感が高まった。これで、潜在意識が動く」

このようにあえて人の目を気にすることで、自分の成長につなげる考え方もあります。

④普段、人を責めることを止める

心理学的に捉えると、人の目をマイナスに感じる人ほど、普段は人のことを責めています。人=闘う相手(敵)になっているからです。「人から責められる」と感じるのは、普段から自分が他者を責めていることの投影。

つまり、自分が他者を責める(ジャッジする)ことが減ると、自分も他者から責められる(ジャッジされる)と感じることも減ります。

⑤呼吸法や瞑想、身体を動かすことを取り入れる

身体や脳はストレスを受けると、ストレスホルモンを分泌して思考もマイナスに引っ張られます。そこで、有効なのが呼吸法や瞑想、運動です。

呼吸法や瞑想、運動は、安心ホルモンを生み出してくれます。多少のストレスを感じても、必要以上に反応しない「脳」や「身体」に変えていく効果があります。人目が気になる人には極めて有効です。

毎日1分の呼吸瞑想でも、脳は変化すると実験結果にも出ています。呼吸法、瞑想、運動などはすぐにでも始められるものなので、興味がある人は是非取り入れてみてください。

最後に

悲しみ

プロゴルファーの横峰さくらさんは、人の目(応援する方々)が気になってプレーに集中できなかった時があったそうです。そんな時、メンタルコーチ(現在のパートナー)から「ギャラリーは敵ではない」と言われ、ギャラリーを敵に見ていた自身にはっと気づいたそうです。

それ以来、ギャラリーに手を振るようになり、人の目が「敵」ではなく「味方」として感じられるように変化。自分のプレーに集中することができるようになったと、対談記事に書かれていました。

人の目が気になるのも捉え方次第です。これまで敵に見えていた『人の目』も、心身の状態が整えば「応援の目」に感じられるかもしれません。

この記事の著者

Mentally 編集部
Mentally 編集部 Posted on

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