「自分らしく生きていますか?」と問われ、迷わずに「YES」と答えられる人は少数です。ほとんどの人が『もっと自分らしい生き方』を心のどこかに思い描き、今の人生に迷いや不満を抱えていることでしょう。これでは幸福感が満たされるはずはありません。
この記事では、あなたの人生をもっと幸せにするためのヒントを提示します。『自分らしさ』も『幸せ』も人によって形が異なるため、曖昧な内容に聞こえるかもしれません。それでも何割かの人には、『自分らしく生きるためのきっかけ』になるでしょう。是非、ご一読ください。
自分らしく生きにくいのは、今の日本が悪い

発展途上国の人が聞いたら怒るかもしれませんが、今の日本はけっして豊かな国ではありません。経済的な不安を抱えている人が非常に多く、かつての『普通の幸せ』を手にすることさえ難しくなってしまいました。
かつて『普通の幸せ』と呼ばれていた、正社員になって、結婚をして、マイホームを建てて、自家用車を購入して、子供を育てる……そんな生活を送っている人は、少数です。正社員になれない人が増えただけではなく、正社員でも給料だけではまともな貯金ができない人も多いでしょう。
SNSでは時折、『正社員なのに手取り13万円』のような話題が挙がります。「お金がないから結婚できない」なんて言葉もよく聞きます。
過去とは違う価値観を重視する人たち
経済的な不安とは別に、古き良き時代の『普通の幸せ』に価値観を見出せない人も増えています。家は賃貸でいい。車なんていらない。結婚に魅力を感じない。だから当然、子供も作らない。……このような価値観を持つ人が増えました。
たとえ経済的な不安はなくても古き良き時代の『普通の幸せ』に魅力を感じなければ、家や車を買うこともなく、家族を作ることもありません。このようにかつての『普通の幸せ』を選択する人は、年々減少しています。
選択肢の多さが、あなたの心を迷わせる

昔は多くの人が同じ形の幸せを求めていました。しかし、現在では幸せの形に多様性が生まれたのです。
- ずっと独身でいいから、趣味に生きる
- 最低限の収入でいいから、自由に使える自分の時間を大切にしたい
- 好きな仕事しかしたくないから正社員にはならず、フリーランスで生きる
ここで挙げたのは、ほんの一例です。『たくさん働いて、たくさん稼いで、家庭を持つ』だけが幸せの形ではない現代は、幸せの多様化の時代と言えるでしょう。
『幸せの多様化』とだけ聞けば、良い時代のように感じられるかもしれません。しかし、選択肢が増えたことで私たちは自分の幸せを感じにくくもなってしまっています。
選択肢が増えれば『選ばなかったもの』も増える
何故、選択肢が増えると幸せを感じにくくなってしまうのでしょうか?
選択肢が増えれば、当然『選ばなかったもの』も増えてしまうからです。自分が選ばなかったものを選ぶ人が身近にいるケースも多いでしょう。そして相手が幸せそうに見えてしまうと、羨む機会も増えてしまいます。たとえば、以下のような例です。
- 家庭に入る幸せを選んだ人が、社会で活躍する人を羨む
- 子供を持つ幸せを選んだ人が、自由な時間を満喫する人を羨む
- たくさん働き多くの収入を得る幸せを選んだ人が、自分の好きなことを仕事にしている人を羨む
どれもが多くの人に当てはまるものです。もちろん、あなたが羨ましがられる側に立つこともありますが、羨むときの記憶ばかりが鮮明に残りがちです。人を羨む機会ばかりが増えてしまい、自分の幸せに気づけない。これでは幸福感を感じにくいのも、仕方のないことなのかもしれません。
幸せの絶対条件は、自分で選ぶこと

幸福感を感じる絶対的な条件が、2つあります。1つは自分にとっての大切なものを知ること。2つめは、自分で大切なものを選ぶことです。
大切なものを知る
何が自分にとって大切なのか……。これを知らなければ、幸せを感じるのは難しいです。
現在は選択肢がたくさんあるため、意識して『自分に大切なもの』を選ばないと周囲に流されてしまいます。あなたが流されてしまう相手は親や友人、恋人ばかりではありません。世の中の巨大なマーケットそのものが、あなたを流そうとするケースも多々あります。
大切なものは自分で選ぶ
幸せは自分で選んだものでなければ、幸福感が半減します。他人から与えられたものには、価値や大切さを見出しにくいからです。『何を手に入れるか』はもちろん重要ですが、それ以上に『自分で選んだか』が大切だと知っておいてください。
「選んだものが間違いだった」と後で気づく理由
人生は選択の連続です。「間違った選択をした」と後になって気づくことも多いでしょう。何故、間違ってしまったのか?……その答えは結局、自分で選べていなかったからです。
- 周りが就職するから、自分も就職をした
- 周りが結婚し始めたから、その時の恋人と結婚した
- 周りが家を買っているから、自分も家を買った
当時は、自分で選んだつもりだったのかもしれません。しかし、振り返ってみれば周囲からの影響によって自分の人生の大事な決断を繰り返してきた人も多いのではないでしょうか。幸せ多様化の時代に、その生き方では幸せになるのは難しいのです。
幸せになるためには自分だけの決断を持たなければなりません。そのためには、周囲と比較しないことが何よりも大切です。
理屈ではなく直感を大事に

人との比較からあなたの心に生まれるものは、劣等感、嫉妬、妬み、僻み……全てがろくなものではありません。もちろん、ときには優越感を抱けることもあるでしょう。しかし、勝ちっぱなしの人など存在しません。優越感を重視する人ほど、劣等感を抱きやすいものです。
結局のところ、人との比較を増やせば増やすほど、幸せは遠ざかっていきます。だから、幸せになりたいのなら比較をやめて、自分だけの価値観で選択を繰り返すことです。
自分だけの選択を行う際には、理屈以上にあなたの直感を大事にすると良いでしょう。周囲は理屈であなたを別の道へと誘導しようとするかもしれません。しかし、いちばん大事なのは自分の直感です。なるべく多くのものを、自分で選べる生き方を目指してください。そうすれば、幸せを感じられる瞬間が少しずつ増えていきます。