「もっと自分を変えたい」と願う人は大勢いるでしょう。しかし、どのように自分を変えていけば本当に変われるのか、具体的に知っている人は少数です。この記事では、あなたをもっと理想の自分に近づけるためのおすすめの習慣を紹介します。
自分を変える

あなたは、自分を変えたいと思ったことはありますか? 心理学的に見ると、人は誰かから「変わりなさい」と言われて変わろうとすることはありません。自分自身が「変わろう」「変わりたい」と思ったり、「もし変わったら」と期待したりして、初めて内側(感情)が反応します。そして、本当に変わることが可能となる仕組みです。
「思ったが吉日」という言葉がありますね。自分自身で「変わろう」「変わりたい」と思ったときがこそ、正に自分を変えられる吉日なのです。
自分を変えるために最初にすること
自分を変えたいと思ったとき、まず最初にすると良いことは何でしょうか。
私たちの脳には、RASという機能があります。RASは『その人がもつ関心事に対して、脳は情報を集めるのに鋭敏になる』というものです。
つまり、RAS機能は「こういう自分になりたい」というイメージを描くと、あなた自身をあなたの理想に近づけようと働きかけます。それはまるで、車のナビのようです。
車のナビでは、行きたい場所を明確に入力することが大切でしょう。同じように、なりたい自分を明確にするとRAS機能が働き、望み通りの自分に到達しやすくなります。あなたが「自分を変えたい」と願うのなら、まず最初に『どのような自分になりたいのかを描く』のが良いです。
どのような自分になりたいのかを描く~ナビの設定の仕方~

『なりたい私』により効率良く近づくために、脳の機能(反応)を生かしたナビの設定方法があります。以下の3つのことを大切にしてください。
自分を変えるためのナビ設定①:『なりたい私』を1つに絞らない
自分を変えるためのナビ設定は、1つに絞る必要はありません。「あれもこれも……」と欲張りで良いのです。「この人のこの部分を自分のものにしたい」「あの人のあの部分を自分のものにしたい」と、身近な人のいいとこ取りでも良いでしょう。
私たちの脳は、1つの思考に絞ろうとすると「~であるべき」と理想論が介入しがちです。すると、「本当にこうなりたい」という純粋な想いから遠ざかってしまう可能性が高くなります。
「あれもこれも……」と欲張ったあなたの理想を、目標として設定しましょう。設定したら、後はナビに任せます。すると、脳は自然とベストタイミングを選択して、あなたがあなたの理想に近づくための道案内を始めます。私たちは「ここに寄って、それからあそこに行って……」と旅をする気持ちで、設定したナビに委ねれば良いのです。
自分を変えるためのナビ設定②:プラスの感情が大切
自分を変えるためのナビ設定をするときに大切なのは、ナビ設定をしている段階でプラスの感情が湧くかどうか。プラスの感情とは以下のようなものです。
- わくわくする
- 嬉しい
- 身体があたたかくなる
このようなプラスの感情からナビ設定をすると、脳の性質を生かしやすくなります。
一方、ナビ設定の段階で嫌な気持ちになったり、身体が固くなるような感じがしたり、と少しでもマイナスの感情が湧いてきたら、一度立ち止まってください。そして、その理想が叶うとあなたは本当に嬉しいのかどうかを、問いかけてみましょう。少しでもマイナスの感情が湧くのであれば、思い描いた理想は『本当のあなたの理想』ではないのかもしれません。
自分を変えるためのナビ設定③:設定したゴールに近づくための『習慣』を始める
私たちの心と身体、脳には、命を安定させるための恒常性(ホメオスタシス)が働いています。
人は、変化には警戒心を抱くのです。つまり、あなたが「変わろう」と思っても、心や身体や脳は「変わるまい」とサイドブレーキをかけます。そのため、「変わろう」と思った当初は、変わりにくいです。
しかし、あなたが何度も「変わろう」と変化のための行動を習慣化していくと、心や身体や脳が「これは安全だ」「これは安心だ」「これは有効だ」と警戒心を緩め始めます。あなたがナビ設定したゴールのためには、『習慣(繰り返すこと)』こそが有効なのです。
あなたが変わるための3つの習慣

あなたが変わるための習慣①:毎日、ナビの行き先を確認する
ナビの行き先は固定するのではなく、毎日更新していくことをお勧めします。人は、経験や出逢いにより価値観も願望も日々変化していくからです。
ナビの行き先を決めるのは、あなた自身です。しようと思えば、毎日新しい気持ちでナビの行き先を設定できるでしょう。微調整はもちろん、ナビに行き先の追加をしてもかまいません。自由な心で『なりたい自分』のためのナビ設定を楽しんでください。大事なのは、楽しみながら自分を変えていくことです。
あなたが変わるための習慣②:プラスを拾う脳を育てる
心や身体や脳は、マイナス感情にブレーキをかける性質があります。同時に、プラス感情にはブレーキを緩める性質もあります。だから、マイナス感情が変化を妨げるためのブレーキをかけないように、なるべくプラス感情を増やしていきましょう。
ただでさえ、私たちの脳はプラス感情よりもマイナス感情を抱きやすくなっています。これは、自分の命を危険から回避するために、人間が生まれ持った性質です。そのため、プラス感情は意識的に増やさないとなかなか増えてはいきません。
プラスを拾う脳を育てる習慣例
- 朝、今日の楽しみを3つノートに書く
- 夜、一日の中で嬉しかったことを3つノートに書く
- 触れるメディアを選び、マイナスの要素が多い情報からは離れる
- 瞑想をする
この中では瞑想があまり一般的ではないかもしれません。しかし、瞑想にはストレスホルモンを減らす、安心ホルモンを分泌させるなどの効果があるので非常におすすめです。下の記事にマインドフルネス瞑想の簡単なやり方が載っていますので、参考にしてください。

あなたが変わるための習慣③:受け身ではなく主体的な生き方
私たちの心や身体や脳は「誰かがやってくれる」「誰かにやって欲しい」という受け身的な捉え方には反応しません。人に備わっている潜在意識は、「自分でやるしかない」と崖っぷちに追い詰められることで大きな力を発揮する仕組みになっているからです。
重要なのは「私自身がする」「私自身で変える」と決意すること。そして、誰かに責任を転嫁しないこと。その決意の強さは、新しい習慣のモチベーションになるだけではなく、あなたの潜在意識を本当に動かします。
メンタルを強くしたかったら

もしもあなたが「もっとメンタルを強くしたい」と願うのなら、まずは『理想の自分』をなるべく明確に設定しましょう。このとき、「◯◯のようにメンタルが強くなりたい」と身近な人を思い浮かべるのも有効です。この「◯◯のようにメンタルが強くなりたい」が、あなたが設定したナビとなります。理想に近づけるように、メンタルを強くするための習慣を淡々と実行していきましょう。
本文でも触れたように、ナビの変更は自由です。途中で「△△のように豊富な知識が欲しい」と新たにナビを追加するのも自由。追加ではなく、完全な変更でも問題ありません。
あなたが少しでも「自分を変えたい」と思うのであれば、今日が吉日です。ナビを設定して、変化のための習慣を始めてみてください。大事なのは理想の自分になるための行動を習慣化していくことです。習慣化できれば、きっとあなたも理想の自分に近づけるでしょう。