一緒にいると楽しいばかりが友人関係ではありません。むしろ、辛さや疲ればかり感じてしまう人も多いでしょう。そのような方に向けて、5つの改善策をお伝えします。
人間関係の悩み:友人関係に疲れる原因

「友人との関係に疲れる」と考えてしまういちばんの原因は、「友人関係」という言葉から学生時代の友人関係を想像してしまうからかもしれません。
学生の頃は、仲の良い友人となんでも一緒にやっていたでしょう。一緒に登校して、休み時間は雑談をして、お昼は一緒に食べて、同じ部活に行く……。あの頃はそれで関係が成立しました。しかし、大人になってもこの感覚で友人と付き合うと、無理が生じます。
すでにお互いの環境と価値観が大きく違うからです。家庭を持っている。子供がいる。これだけでも価値観は大きく変わります。その上で仕事の有無、経済力、住んでいる場所なども考えたら、話の合わないケースが多いのは当然でしょう。
どちらかが、相手と自分を比較し始めたら友好的な関係を築くのは、それこそ不可能に近いです。やがて、マウントを取った・取られたの話になり、2人の間には大きな溝ができてしまいます。
代表的な3つの「疲れる友人関係」

疲れる友人関係①:相手に期待し過ぎ
「友達なんだから」となんでもかんでも期待してしまう人は、友人との関係を壊しがちです。
相手も初めは「友達だし」と快諾してくれるでしょう。しかし、何度も重なると「どうして自分ばかりあの人のために動いているの?」と疑問を持ちます。一度でも疑問を持ってしまったら、相手への不信感は募る一方です。そこから挽回するのは、かなり困難。
ただし、そもそも挽回しようとする気持ちがあるのなら、最初から相手に求め過ぎません。大抵「どうして友達なのに、やってくれないの?」と逆キレして関係が破綻します。
逆の立場になることも多いです。あなたばかりが相手のために動く関係ですね。どこかでハッキリと言わないと、相手はいつまでもあなたに過度な期待を持ち、色々とリクエストしてくるでしょう。
疲れる友人関係②:相手を変えようとしている
大人になったら相手との価値観が違って当たり前です。
しかし、相手を自分の価値観に合わせようとする人も少なくありません。「普通はこうでしょ?」と、自分の常識を押し付けるケースです。誰にでも経験があるのではないでしょうか。
大人になった相手を変えようとすること自体、まず無理です。相手は変わらないものだと受け止めてください。結局、価値観のズレを受け入れるか、自分が変わるかの二択しかありません。
疲れる友人関係③:そもそも合わない
大人になると、まったく合わないのに仲良くしなければならないケースも多いです。
たとえば、ママ友。子供が同じクラスというだけで、ある程度の交流が求められてしまうこともあるでしょう。
また、会社によっては、休日に同僚と遊びに行く習慣があるかもしれません。たとえ「付き合いも仕事のうち」と割り切っても、合わない相手と休日を過ごすのは疲れます。休日が潰れて損をした気持ちにもなりますよね。
ただ、ママ友や職場の同僚は、そもそも友人関係とは捉えないのが正解でしょう。もちろん本当の友人になれるケースもありますが、基本的には親しくなろうとはせずに親しく当たり障りのない関係をキープするべきです。
良い友人関係を築く5つの改善策

良い友人関係を築くために①:自分の居場所を複数用意する
学生時代のように特定の人と常に一緒の関係は、大人になったら無理です。
一緒に趣味を楽しむ仲間、世間話をする仲間、飲みに行く仲間、のようにあちこちのコミュニティに少しずつ関わると良いです。今はネットを通じての交流も盛んですから、ネット上にも居場所があるとなお良いですね。
浅く広くの関係に否定的な人もいるでしょう。でも、人間関係に疲れている人ほど浅く広くの関係に心地良さを感じます。これまで特定のコミュニティに依存してきた自覚があるのなら、浅く広くの交友関係を意識してみてください。
良い友人関係を築くために②:コミュニティによって自分の立ち位置を変える
複数の居場所ができたら、それぞれのコミュニティでの立ち位置を変えると良いです。たとえば、一緒に趣味を楽しむ仲間内ではまとめ役、世間話をする仲間の間では主に話を聞く役、飲みに行く仲間の間では話をする役、のような形ですね。
そうすると、あなたに複数の顔が生まれます。複数の顔は、どれもがあなたの一部です。複数の顔を1つのコミュニティで全て出すのは難しいですが、複数のコミュニティに所属していれば比較的簡単にできます。
自分の色々な一面を外に出せるため、欲求不満になりにくいメリットもあります。あなた自身にストレスがたまりにくい、それぞれのコミュニティでの交流もうまくいきやすくなるでしょう。
良い友人関係を築くために③:人との距離感を考える

「近過ぎても遠過ぎてもいけない」と考えると、人との距離感は本当に難しいものなのかもしれません。
ただ、近過ぎてトラブルになることはあっても、遠過ぎてトラブルになることはありません。気持ち「遠いかも」と思えるくらいの距離から始めると良いでしょう。
その上で、相手とうまくやっていくコツは、相手が求めている距離感に合わせることです。相手の口調が砕けてきたらこっちも砕ける。相手がLINEでスタンプを押すようになったら、こっちも押す。そうして合わせていけば、大きな間違いにはなりません。
良い友人関係を築くために④:好かれようとはしない
友人との人間関係がうまくいかなくなってしまうのは、あなたの側から好かれようとするからです。また、相手に「好きになって欲しい」と期待を持ってしまうからでもあります。
好きになってもらおうとすると動きは、相手が苦手とする動きと紙一重。好かれようとするのではなく、安心できる存在や一緒にいて楽な存在を目指すと良いでしょう。
良い友人関係を築くために⑤:貸しも借りも作らない
友人との間には、貸しも借りも作らないことです。
何かしてもらったら、その分は返す。そう決めておくと良いです。なんなら、自分のほうが少しだけ貸しを作っているくらい……6:4くらいの関係を目指すと良いでしょう。
そのくらいなら「自分ばかりやっている」とも思いませんし、相手に過度な期待を寄せることもありません。自然体かつ不快な想いをせずに、一緒にいられるでしょう。
人間関係の悩み:友人関係が疲れるかたへ

友人関係に疲れを感じやすい方へのアドバイスを紹介しました。子供の頃とは違い、大人になってからの友人関係には難しさを感じる人も少なくありません。でも、相手への感謝とリスペクト、そして謙虚さを忘れなければなんとかなるものです。
ベッタリの関係ではなく程良い距離感を一度掴めば大丈夫ですよ。少しずつ、ここで紹介したものを自分のものにしていってください。