ネガティブな思考ばかりで自分が嫌になる。この記事はそんな人に向けて書きました。あなたが今、ネガティブな思考ばかり繰り返してしまう原因は、あなたの幼少期に原因がある可能性が高いです。幼少期の記憶を振り返り、ネガティブ思考から脱却する方法を紹介します。
人の記憶はネガティブなものほど残りやすい

仮に「良い思い出」と「悪い思い出」を、ちょうど半々の割合で経験した人がいるとしましょう。すると、その人の頭には悪い思い出ばかりが強く残ります。
もちろん、良い思い出を忘れてしまうわけではありません。「あのとき、こんなことがあったよね」と人から言われれば思い出すでしょう。しかし、人に言われなければ思い出しません。一方、悪い思い出は、常に頭の片隅に存在しています。
悪い思い出はなかなか風化しません。それこそ、幼少時代の記憶でさえ、あなたの頭のどこかに残っているのです。「もうハッキリとは覚えていない」と感じる出来事も、あなたの本質や本能に大きな影響を与えています。
たとえば、幼少時代に大きな火災事故に巻き込まれた人は、本能で火を怖がってしまうのです。人は意識しないかぎり悪い記憶ばかりを重ねてしまう生き物だと知っておいてください。
悪い記憶ばかりが残る理由

しかし、何故悪い記憶ばかり私たちは覚えているのでしょうか?それは、私たち人間が生き残るためです。現代のように技術が発達していなかった頃、私たち人間は常に命の危機と隣り合わせでした。生き残るためには、良い記憶よりも悪い記憶がより重要だったのです。
悪い記憶によってあらかじめ回避できる危険は少なくありません。たとえば、「このキノコを食べたらお腹を壊す」のような記憶です。もしもこのメカニズムがなければ、私たちの先祖は歴史のどこかで絶滅していたかもしれません。
しかし、命の危機を感じる機会があまりない現代社会に生きる私たちにとっては、どうでしょうか。むしろ、生きづらさを感じるメカニズムになっているかもしれません。
直近の出来事だけで全てを判断する人

対人関係で苦労する人は、直近の出来事だけで相手を判断してしまいます。散々お世話になった人を、簡単に切り捨てることも多いでしょう。当たり前といえば当たり前ですが、そういう人の周りには誰も残りません。
しかし、その人の性格が悪いわけではないのです。先程紹介した人間が持つメカニズム「ネガティブな記憶ばかりが残る」を忠実に体現しているだけにすぎません。
「ネガティブな記憶ばかりが残る」ということは、「ポジティブな記憶は残りづらい」ということ。だから、きちんと相手との良い思い出を振り返らないと、直近の悪い記憶だけがその相手への印象になり、簡単に関係を断ってしまいます。普段からネガティブ思考の人は、要注意です。
幼少期の記憶がネガティブ思考を生む

では、どうしてネガティブ思考になりやすい人がいるのでしょうか?
ネガティブ思考になりやすい・なりにくいは、幼少期の記憶に大きく左右されると言われています。たとえば、あまり両親にかまってもらえない子供は、親に気に入ってもらうために「いい子」になろうとします。わがままを言わずに、なるべく親が気に入る子供を演じようとするのです。
やがて、その子供にとっての親の存在は絶対的なものになり、親に服従するのが当たり前になっていきます。
あなたが自分に期待できない原因
そのような幼少期を過ごすと、大人になっても「自分は誰かに従うもの」「自分の意志は出さないほうがいい」と考えてしまう傾向があるのです。「どうせ、自分なんか……」と自分に期待できない人は、幼少期の影響が大きいと考えられています。
ネガティブ思考の原因は過去の人間関係
他にも、親に褒められてこなかった子供や親のストレスのはけ口にされていた子供は、大人になってもネガティブ思考から抜け出せない人が少なくありません。
もちろん、あなたの幼少期に影響を与えてきたのは親ばかりではないです。教師、友人、親戚、近所の人……日常的に関わっていた人からの影響で、あなたのネガティブ思考が生まれた可能性も十分にあるでしょう。
幼少期を振り返る

ネガティブ思考から脱却するためには、まず自分のネガティブ思考を認めること。そして、どうして自分がネガティブ思考になってしまったのかと、幼少期の記憶を遡ってみてください。
幼少期の記憶なので、曖昧なものもあるかもしれません。それでも自分の過去を振り返れば、ネガティブ思考になってしまっても仕方のないエピソードが高確率で見つかります。原因がハッキリとすれば、自分のネガティブ思考とも向き合いやすくなるでしょう。
大事なのは、ネガティブ思考の自分を責めないこと。ネガティブ思考を生んだのは、あなた自身ではなく当時あなたの周りにいた人たちです。ただ、あなたにネガティブ思考を植え付けた当事者たちも、完璧な人間ではありません。だから、相手を責めるのも、またお門違いです。
過去を振り返ったら視点を現在に向ける
人間なんて、誰でも間違いだらけなのですから「親が悪かった」「教師が悪かった」と恨むのではなく、「当時の彼らは未熟だった」と考えるのが正解ですよ。過去の親や教師に恨みを向けても、当時の彼らはもうどこにもいません。まったく意味のない恨みつらみになってしまいます。
ネガティブ思考になってしまった原因を突き止めたら、視点を過去から現在へと移しましょう。大切なのは、過去の人間関係を恨むのではなく、今どうやって生きていくかです。
ネガティブ思考からの脱却方法

では、具体的なネガティブ思考からの脱却方法を紹介します。
ネガティブ思考からの脱却方法①:安心感のある人と過ごす
「一緒にいて居心地が良い」と感じられる人が、あなたの周りにもいるでしょう。そのような人と過ごす時間を増やすことです。人間関係に刺激よりも安心感を求めることが大事ですよ。
たとえば、公園でボーッとしているだけでいい。そんな関係が築ける人との時間を増やしてみてください。どちらかに恋愛感情が芽生えてしまうと、その関係は崩れてしまうので同性が良いでしょう。
ネガティブ思考からの脱却方法②:無理にポジティブになろうとはしない

ネガティブから脱出しようとして苦しむ人の多くは、無理にポジティブになろうとしています。ポジティブになろうとする気持ちは、とても良いことだとは思いますが……そう簡単になれるはずがありません。
すると、ポジティブになろうとして失敗する自分を見る羽目になります。この失敗体験が、あなたのネガティブ思考に拍車をかけてしまう可能性もあるのです。
また、常にポジティブを意識するということは、同時にネガティブを意識することでもあります。そうではなく、ポジティブもネガティブも意識しない自然体を目指すと良いです。
考えてみてください。あなたが一緒にいて安心感のある人は、ポジティブでしょうか?
きっと、そうではないでしょう。その人は「ポジティブ」という言葉よりも「自然体」という言葉のほうがはるかに似合う人ではないかと思います。でしたら、あなたが目指すべきなのも自然体ですよ。
ネガティブ思考からの脱却方法③:身体を動かす習慣
激しい運動ではなくて良いので、身体を動かす習慣を持ってください。できれば、外での運動が良いです。それこそ、散歩とかで十分なので習慣化していきましょう。
聞いたことがあるかと思いますが……心と身体は繋がっています。身体が健康になれば、心も健康に。逆もまた然りです。
また、外を歩くだけであなたにはいくつもの発見があるでしょう。「あんなところに新しいお店ができている。今度行ってみよう」「季節の花が咲いている」「風が気持ちいい」……このような発見は、自然とあなたの心を明るくしてくれます。無理にポジティブになろうとするのではなく、このような自然な形で心を前向きにするのです。
ネガティブ思考の改善:まとめ

自分の幼少期を振り返るのは辛い作業かもしれません。でも、一度はきちんと向き合わないと、現在抱えている自分の問題とも向き合えないのです。だから、ここだけ頑張ってみてください。
あとは慌てずにあなたのペースでの改善を目指すことです。誰かと比べる必要はありませんよ。あなたはあなたのペースで前に進めば大丈夫です。気持ちを楽にして、少しずつ歩き始めましょう。