一度マイナス思考が始まると、いつまでもネガティブなことばかり考えてしまう。そんな悩みを持つ人も多いのではないでしょうか。この記事では、マイナス思考が止まらない人に向けて、無理をせずにマイナス思考を断ち切る方法を紹介します。
「もっとポジティブに!」はNG

マイナス思考が多い人は、すぐに周囲に知られます。だから、マイナス思考を抱えやすいあなたの周りには、「もっとポジティブに考えたほうがいいよ」とアドバイスをくれた人もいたでしょう。それでもあなたの心にまるで響かないのは、「そんなことはわかっている」からです。
もちろん、あなたに声をかけてくれた彼らに悪気はありません。むしろ、あなたのためを思っての言葉でしょう。しかし、ポジティブを促すアドバイスがまるで役に立たないのは、これまでのあなたが経験してきたとおりです。
5人に1人は不安障害を抱えている

さて、まずは「なぜマイナス思考が頭から離れないのか」を考えてみましょう。実は、心理学や脳科学の分野ではマイナス思考の研究が活発に行われています。
欧米の精神医学専門誌「JAMAサイキアトリー」の発表によると、成人の5人に1人がネガティブな考えや感情を止めたり切り替えたりできない、いわゆる不安障害の問題を抱えているそうです。
マイナス思考が頭から離れないのは珍しいことではなく、多くの人があなたと同じ問題を抱えていると知ってくださいね。もちろん、「みんな悩んでいるんだよ」の一言で問題を終わらせるつもりはありません。ここから先は、改善策を提案します。
止まらないマイナス思考から脱却する5つのポイント

マイナス思考からの脱却①:メンタルリセット
先ほど、ネガティブ思考の人に「ポジティブ思考になろう!」と促しても効果がないとお伝えしました。では、ポジティブになるのではなく、プラマイゼロの状態を目指すのはどうでしょうか?
実は、この方法にはネガティブ思考を止める効果があります。プラマイゼロの状態とは、何も考えないこと。ネガティブな思考が頭をよぎり始めたら、何も考えなくて済むような状況に自分を追い込むと良いです。プラマイゼロへの状態へメンタルリセットするための具体例をいくつか挙げましょう。
- 運動をする
- 掃除をする
- 好きな音楽を聴く
- 深く呼吸をする
1.運動をする
ネガティブ思考が止まらないのは、考える時間や余裕があるからです。ネガティブに考える余裕を自分から奪うために、もっとも手っ取り早いのは運動ですよ。「きつい」と感じる運動をしている最中、あなたはネガティブな考えを持つ余裕がなくなります。
運動が終わってもすぐにネガティブ思考に戻ることは稀です。一度途切れたネガティブ思考は、しばらくあなたの頭の中に入ってこないでしょう。
2.掃除をする
掃除で身の周りを綺麗にすると、頭の中もクリアになる効果があります。また、断捨離をすると物を捨てるのと同時に嫌な記憶も捨て去りやすくなります。「運動はきついからしたくない」と考える人におすすめのメンタルリセット方法です。
3.好きな音楽を聴く
メンタルリセットには気分転換が有効です。しかし、ネガティブ思考が止まらない人の多くは気分転換を苦手としています。気分転換のために何かを始めても、どうしても嫌な思考が頭を離れない…… そんな人でも気分転換しやすいのが音楽です。音楽は他の趣味よりもはるかに受動的なもの。受け身の姿勢で成立してしまいます。ヘッドフォンなどを利用して、より音楽に没頭できる環境を作るとより良いでしょう。
4.深く呼吸をする
意識的に深く息を吸って、息を吐く。この行為だけでメンタルリセットの効果は十分にあります。息を吐くと同時に身体から悪いものを吐き出すイメージを持つと良いでしょう。ここで言う「悪いもの」とはネガティブな思考やストレスです。
時間に余裕があるのなら、本格的なマインドフルネスがおすすめです。マインドフルネスのやり方に関しては下の記事をご覧ください。毎日10分のマインドフルネス瞑想なら簡単に始められます。

マイナス思考からの脱却②:思考ではなく行動を変える

人間の心と身体はセットになっていることが多いものです。特定の行動を起こすと、その行動にまつわる記憶が蘇ってくる……そんな経験をあなたもしたことがあるでしょう。
ネガティブ思考が止まらないのなら、自分の行動を変える意識を持つと良いです。とくに有効なのは、これまでにあなたが経験していない行動です。些細な変化で良いので、自分の行動に変化を求めてください。たとえば、以下のような行動です。
- 普段とは違う道を歩いて帰る
- 普段は会わない人に会ってみる
- 普段は行かない店に入ってみる
- 普段より少しだけ早起きしてみる
- いつもと違うものを食べてみる
ポイントは身体を動かすことが伴う行動の変化であることです。普段とは違う行動を取ると、多かれ少なかれ新鮮な気持ちになれるでしょう。
ネガティブな思考を繰り返す気持ちよりも、新鮮さを感じる気持ちが勝れば、繰り返されてきたネガティブ思考も止まります。
マイナス思考からの脱却③:楽しい気持ちで寝る

記憶は睡眠中に定着しやすいのをご存知でしょうか。つまり、眠りにつく直前の感情がとても大切なのです。楽しい気持ちを抱えたまま眠りにつけば、翌日にネガティブ感情をぶり返しにくくなります。
一方、ネガティブな気持ちのまま眠りにつけば、その感情はあなたの記憶に定着するため、何度でも繰り返し考えやすいのです。
好きな漫画を読んだり、好きな音楽を聴いたりして、心地良い気持ちになってから眠りにつくように意識してみてください。とても簡単で非常に効果があります。
ただし、寝る間際までスマホを見るのはおすすめしません。できれば、寝る1時間前は長時間スマホを見ることは避けてください。
幸せな気持ちになる言葉を心の中で唱える
寝る前に3分だけで良いので、幸せな気持ちになる言葉を心の中で唱えてみましょう。
一般的にアファメーションとも呼ばれていますが、自分のマイナス思考をやめるのに効果的と呼ばれています。以下の動画を見ながら、心の中で言葉を唱えてみてください。映像にあまり意味はないので、音声を聴くだけでも問題ありません。
マイナス思考からの脱却④:時間をおいて自分に反論
twitter上で掲載されていたあい茶さんの漫画によると、自分のネガティブな気持ちを紙に書き、しばらく時間を置いてから自分が書いた言葉に反論する方法が有効なようです。この反論は、あくまで客観的に行うことがポイント。
自分のネガティブな思考を客観的に見ることで、無意識のうちに行っていた思い込みや悪意のある解釈を正す効果があります。「すごく酷い目にあった」と思った出来事も客観的に見たら、実は大したことのないものだったり……。自分を冷静な目で見つめ直す良いきっかけになるでしょう。
ちなみにこの漫画は、作者のあい茶さんが実際にカウンセリングを受けた経験を元に書かれています。

マイナス思考からの脱却⑤:カウンセラーを頼る
ここまで紹介したものを全て試しても状況が改善されないのであれば、本職のカウンセラーを頼ることも考えてみてください。
心の病気を抱えていることを「恥ずかしい」と感じる人もいるかもしれませんが、今はもうそういう時代ではありませんよ。心の病気を受け入れて改善策を探っていくほうが、よほど現代的です。
すでに紹介したとおり、欧米では5人に1人が不安症の悩みを抱えているくらいです。ごく一般的な悩みとして、堂々とカウンセラーを頼ると良いでしょう。
ネガティブ思考が止まらないあなたへ

この記事ではマイナス思考が止まらないあなたに向けて、現実的な改善策を5つ紹介しました。
ネガティブ思考を繰り返す人が目指すのはポジティブ思考ではありません。ネガティブな思考をしてしまう時間をなるべく減らすことです。ここで紹介した情報が少しでもあなたの役に立てば幸いです。