悩み

「人間関係がめんどくさい」と感じる理由と対処法

「人間関係がめんどくさい」……そう感じる人は多いものです。でも、何故そのように感じてしまうのでしょうか。ここでは人間関係に煩わしさを感じてしまう理由と対処法を紹介します。

人間関係とは

ベストセラーになった「嫌われる勇気」(岸見一郎著)。世界累計で600万部を突破という驚異的な部数を今も尚更新しているこの本は、アドラー心理学に精通する「哲人」と生き方を問う「一青年」との対話形式で書かれています。

哲人に投げかける青年の直球のような質問や言葉に読者は自身を重ね、アドラー心理学の教えを解釈していくのですが……この本には、次のような哲人の台詞があります。

「『人間の悩みは、全て対人関係の悩みである』。これはアドラ-心理学の根底に流れる概念です。もし、この世界から対人関係がなくなってしまえば、あらゆる悩みも消え去ってしまうでしょう」

「個人だけで完結する悩み、いわゆる内面の悩みなどというものは存在しません。どんな種類の悩みであれ、そこにはかならず他者の陰が介在しています。

「嫌われる勇気」より引用

この台詞は、人間の悩みは全て対人関係の悩みであり、そこにはかならず他者の陰が介在しているという心理学者アルフレット・アドラーの提唱です。もしも、この提唱が真実であるとするなら、悩みの全ては他者との関係性の上で生まれていることになります。

敵と見ているか、味方と見ているか

全ての悩みが人間関係に繋がっている。これは、本当にそうなのでしょうか。

例えば、健康上の悩みは個人的なものであり、他者は一切関係ないように感じます。しかし、よく考えてみると他者が「味方」と映っていたのなら、その悩みはどのようなものになるでしょう。

身体の症状はあったとしても、他者の存在に安心していたら、身体の不具合であることにそれ以上もそれ以下も無く、症状そのものを受け容れることができるのではないでしょうか。更に、他者が「味方」であったら、その理解や励ましにより人生の豊かさが増すかもしれません。

一方で、もし他者が「敵」だと映っていたらどうでしょうか。健康の不具合を「理解されるだろうか」「どう思われるだろうか」「迷惑を掛けないだろうか」など、別の悩みが付随することが想像できます。つまり、健康という個人的なものに感じるものも、悩みとして複雑なものに変えるのは、他者やその集合体の社会を「敵」だと捉えている自身なのです。

「めんどくさい」の根底は自己防衛

ストレス

人は幼い頃からの経験を元にして、出会いの度にこの人は「敵(脅威)」か「味方(安心)」かと、大人になった今も選択し続けています。

心理学的に見ると、人が他者を「敵(脅威)」として捉える時は、無意識の領域がそう捉えると自身を守ることができると、判断した時。つまり、「めんどくさい」は自分にメリットがある思考です。

「人間関係がめんどくさい」と感じる心理は、他者が「敵(脅威)」に映り「めんどくさい『ことにして他者から私を守ろう』」、「めんどくさい『ことにしてこれ以上辛い思いや悲しい思いをしないようにしよう』」と、一所懸命自分を守ろうとしている本能が働いている状態だと考えられます。

「めんどくさい」は他者から自分を守る言葉

私たちは「めんどくさい」という言葉を「手間を考えるとやりたくない」と考えがちですが……多くの場合で別の感情が心の奥に芽生えています。それは、他者を「敵(脅威)」と捉えている感情です。

「めんどくさい」を主体的な思考としか捉えずにいると、「めんどくさい」の言葉を盾にして自分を守ろうとしている自分に気づけません。結果的に、悩みがどんどん複雑になってしまいます。

「人間関係がめんどくさい」と感じた時の6つの対処法

悩み

他者が「敵(脅威)」と映る時は、既に何かから傷つけられています。だから、必要なのは傷つき怯えている自身を解(ほど)いていくこと、緩めていくこと、癒やしていくことです。傷ついた自分自身の為にできることを、心理学や脳科学を根拠に6つ提案します。

①「悩むこと」を責めない

悩んでばかりの自分に気づくと、どうしても自分自身を責めてしまいがちです。でも、悩むことはけっして悪いことではありません。本能が正常に働いている証拠です。本能が正常に働かなければ、悩みそのものさえ生まれません。「悩むことは、悪いことではない」と自分に言い聞かせてあげてください。

②自問する

「人間関係はめんどくさい」「人間関係は嫌だなぁ」など、人間関係に関してマイナス感情が生まれたら、「私は何に怯えているのだろう?」と自問してみてください。視点が換わることで、これまで抱いてきた恐怖感が薄れることもよくあります。

③一緒に過ごして心地良く感じている相手を書き出す

 「人間関係がめんどうなのではなくて、○○さんや○○のタイプが苦手なのかも」と、感じていることを明確にするのも有効です。すると、これまでの悩みのスケールが小さくなります。人間関係全体の悩みではなく対個人の悩みへとスケールダウンさせられるでしょう。

④理想とする人間関係を築いている人を見つける

誰にでも「この人は、人間関係を作るのが上手だなぁ」と憧れる人がいるでしょう。あなたの身近にもきっといるはずです。あなたが「いいな」と思える人が築いている『理想の人間関係』をノートに書き出すのも有効です。文字にすると、あなたの理想がより明確になるでしょう。そうすれば、今後どのように行動したほうが良いのかもわかりやすくなります。

⑤夜、寝る前の時間を大切に扱う

就寝前のひと時は、非常に大事な時間です。ポジティブな気持ちで眠りに就くと、明日の活力にもつながりやすいのです。だから、なるべく自分を肯定した気持ちで1日を終えるようにしてください。マインドフルネス呼吸法や瞑想を試すのも良いのではないでしょうか。

⑥他者とではなく、昨日の自分と比べる

人はどうしても自分と他人を比べがちですが……比較対象は他人ではなく自分であるべきです。「昨日より、今日のほうが良かった」と言える日を増やしていきましょう。他者との比較をやめれば精神状態が安定しますし、自分を比較対象にすれば成長を感じやすいです。

影響力の大きさをモチベーションに 

女性

冒頭のアドラー心理学の言葉にあるように、人間関係の捉え方が変われば全ての悩みへの感じ方も変わります。是非、ここで紹介した情報を参考に、なるべく良い人間関係を築けるように意識していきましょう。全てを一気に改善する必要はありません。できるところから1つずつ、前に進んでいけば良いのです。

 

この記事の著者

Mentally 編集部
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