- 「つい、イライラしてしまう」
- 「ちょっとしたことでむかつく」
日々の生活の中で悩むこともあれば、イライラしてしまう場面もあります。しかし、イライラは自己嫌悪の元。誰だって、できるだけ平穏な気持ちで毎日を送りたいものです。
イライラのコントロールのためのアプローチとして、心理学のアンガーマネジメントやアサーションがありますが、少々敷居が高いのは確かです。もっと簡単にイライラの解消法があれば取り入れたい人も多いのではないでしょうか。
今回は、心の専門家である臨床心理士が今すぐできるイライラする気持ちの解消法を解説します。ぜひ、参考にしてみてください。
イライラの原因は一つとは限らない

最初にハッキリとお伝えしたいのは……イライラはコントロールできるという点です。
まずは、私たちのイライラの原因を知ってください。この項目では、意外と知らない人も多い『イライラの2大原因』を解説します。
イライラの2大原因①:人間関係のストレス
個人心理学で有名なアドラーによれば、人が感じるストレスの9割は人間関係だと言われています。私たちは、生活をする中で人と関わる機会はとても多いでしょう。それは直接会って話すことだけとは限らず、SNSも人間関係のストレスの原因になります。
心理学ではストレスを「ストレッサー(外的刺激)」と「ストレス反応(外的刺激に対する心身の反応)」にわけて考えます。ストレッサーにも種類があり、その1つが社会的要因と心理的要因です。
社会的要因は、人間関係のトラブルや仕事・家族問題などがあります。心理的要因は不安や焦り、抑うつ状態など心の変化を表すものです。
また、引っ越しや昇進、結婚、妊娠・出産などの、本来なら『良いイベント』でさえもストレスの要因になりえます。まずは自分の身に何が起きているのか、人間関係のストレスをチェックしてみましょう
イライラの2大原因②:身体・健康上の問題
身体的な問題もイライラの原因です。イライラを引き起こすと言われるホルモンバランスの乱れや自律神経のアンバランスさは以下のような症状・障害と大きく関連しています。
肌荒れやニキビ、生理不順、生理痛、不正出血、PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前気分障害)、自律神経失調症、不妊、更年期障害、うつ病や不安障害などそのほかの精神疾患など。
上記のどの症状・障害も落ち込みや不安を伴いやすいのですが、同時にイライラや焦燥感も抱きやすいです。身体や健康上の問題には、食事や運動、睡眠、そして心のケアが大切ですよ。
意外と知られていないストレスによる疲れ
2大原因の①で解説した社会的要因と心理的要因以外にもストレッサーはあります。それが物理的要因です。分類は諸説ありますが、今回はわかりやすいものを解説します。
物理的要因とは、騒音や気圧、気温、空気汚染、光などの環境が関連するものです。カウンセリングに来る方のなかにも「曇りや雨の日は気分が下がる」という話を多く聞きます。
環境の影響でストレスがたまり、イライラすることもあります。また、スマホやPCなどのブルーライトも脳疲労に影響し、心身の余裕に影響をもたらすと言われています。
どの原因も意識的に向き合い、解決策を探すことが大切です。次の項目では、「今すぐできる解消法」を解説します。
あなたも今すぐできるイライラ解消法5選

ここから先は、簡単にできるイライラの解消法を紹介します。
イライラの解消法はいくつもありますが、ここでは5つに厳選しました。自分に合っていそうなものや、出来そうなものから取り組んでみてください。
イライラ解消法①:軽い運動(ストレッチや散歩など)
まずは軽い運動から始めましょう。たとえば、ストレッチや散歩がおすすめです。継続が簡単なもの、辛くないものからはじめることで、余計なストレスをかけずにイライラを解消できます。
とくに散歩は午前中のうちに行けば、太陽の光を浴びることもできます。太陽の光はセロトニンを分泌してくれるので、気分が良くなるとも言われていますよ。
イライラ解消法②:笑う・泣く
バラエティやドラマ、映画などを見ることも解消法の1つです。とくに笑うこと(笑活)と泣くこと(涙活)は心に良い影響を与えると言われています。
笑うことも泣くことも副交感神経を優位にさせるため、リラックス効果を得られ、自律神経の乱れを整えてくれます。また、脳の活性化にも良いと言われています。
イライラ解消法③:紙に書きだす

心理学には、私たちの内側にある目に見えないものを言葉にして、客観視する外在化というものがあります。自分の感情と出来事を切り離す方法でもあるので、思うがまま書いてみましょう。紙に書きだすだけなら、他人の評価も気にせず取り組みやすいですよ。できれば毎日数行でも書き、1~1.5か月くらいは続けてみましょう。
イライラ解消法④:深呼吸をする
不安や緊張が強い時だけではなく、イライラ解消にも深呼吸は良いと言われています。副交感神経が優位になることでリラックス効果を得られるのです。深呼吸は、長く吐くことを意識してみましょう。より気持ちを落ち着けることができます。
1月リリース予定のアプリで実践できるマインドフルネスもオススメです。
イライラ解消法⑤:「好きな時間」を作る
美味しい食べ物を食べる、友達と遊ぶ、映画を観る、寝る……。人によって「好きな時間」は違います。自分の好きなことや趣味の時間に没頭すると、ストレス発散になり、イライラ解消にもなります。
好きなことをすると、幸せホルモンが分泌されるのです。好きなことに没頭すれば、他の余計なことを考えにくくなりますよ。
長期的な解決策なら専門家と一緒に考えてみよう

ここまで解説した「今すぐできるストレス解消法」は一人でもできます。一人でいるほうが心の充電が出来て、イライラが減る人も多いでしょうね。
しかし、ときには自分一人で抱えないことも大切です。イライラの問題は、友人や恋人には話しにくいでしょう。ですから、専門家に話してみることを、ここではおすすめします。客観的かつ専門的な視点から話を聞いてくれますし、アンガーマネジメントやアサーションなどの身に着け方も教えてもらえます。
まとめ:イライラしてもいい、でも上手く付き合うことが大切

イライラすることで人に当たったりして、自分を嫌いになりたくはないですよね?
自分の感情と上手く付き合っていくために、自分自身がどんなことにイライラしやすくて、どんな解消法が自分に合っているのかを知ることからはじめましょう。