お金に困らないとした、あなたの人生は変わるでしょうか?本当にそう言い切れますか?
毎日86,400円もらえる生活を考えてみてください。
結構な大金です。ただ……使いきれなかったお金は次の日に持ち越せないルールがあります。だから、お金を貯めて車やマンションを買うことはできません。もしも86,400円のうち400円しか使わなければ、残りの86,000円は消えて無くなってしまう……そんなルールです。
この話が現実だったら、あなたはどのようにお金を使うでしょうか?
毎日86,400円もらえる生活

おそらく、使えるお金の上限である86,400円を目一杯、使おうとするでしょう。しかし、この生活が長く続けば、欲しいものがなくなったり無理にお金を使うことに飽きてしまったりで、そのうちあまりお金を使わなくなります。
それこそ400円しか使わない日もあるかもしれません。どうせ明日になれば、また86,400円が手に入るのですから……。
さて、これは何の話かといえば、お金の話ではありません。時間の話です。
1日は24時間、1時間は60分、1分は60秒……計算すればわかるように、1日は86,400秒です。つまり、先ほどの話はあなたの1秒を1円換算で考えたときの話になります。
時間だけは全員に平等に与えられる

さて、話は少し変わりますが、今の自分の人生に満足していない人の多くは「世の中、不平等だ」と考えているのではないでしょうか。
そのとおり、人は生まれた時から不平等です。生まれた家が裕福か否か、容姿に恵まれたか否か……これだけでも人生に大きな差がつくのは容易に想像できますね。
年齢を重ねていくと、不平等の差は更に大きくなっていきます。裕福な家に生まれた人は満足な教育を受けさせてもらえるので、社会に出てからも成功しやすいでしょう。また、容姿に恵まれた人は、自然と周りに人が寄ってきます。人との出会いによって得られる経験は、それこそ金銭以上に価値があるかもしれません。
多くの人がお金を稼ぐために自分の時間を切り売りしていますが、もしもそれをしないで良いのなら、自分の才能を伸ばす時間を十分に作れるでしょう。才能が評価されれば、周りに集まってくる人種も変わりますし、他の人ができない経験もできます。
このように、人はそれぞれ生まれた瞬間から立っているスタートラインが違います。そして、スタートラインの位置はその後の人生に大きな影響を与えます。
同じ人間なのに、人生がゲームでいうところのイージーモードだったり、ハードモードだったりするのを不平等と言わず、何が不平等なのでしょう。
有名人の2秒は、あなたにとっても2秒
ここまで述べたように、人の人生は不平等の塊です。しかし、たった1つだけ、全人類に平等に与えられるものがあります。それが時間です。
おまえの一生、YAZAWAの2秒
こんな言葉を聞いたことがありますか? ミュージシャン矢沢永吉さんの名言の1つで、「おまえが一生かけて稼ぐ金額を、俺は2秒で稼いでやるぜ」といった意味です。更に拡大解釈をして「おまえの人生は、俺の人生の2秒ほどの価値しかない」と受け取っている人もいるようですね。
非常に興味深い名言だと思いますが……フレーズだけをそのまま受け取れば、これは嘘でしょう。矢沢永吉さんの2秒は、あなたにも2秒です。時間だけは、誰に対しても常に平等に流れます。
平等に与えられた時間をどう使うか?

さて、話を戻します。
86,400円ももらったのに400円しか使わず、残りの86,000円を捨ててしまう人がいたら、あなたはどう思いますか?
きっと「もったいない」と思うでしょう。しかし、お金を時間に変えて考えると、あなたも自分の86,400秒を無駄に消費していないでしょうか。それこそ400円分くらいしか時間を有意義に使わず、残りの86,000円を捨ててしまう……そのくらい時間を無駄にする日もあると思います。
「平等に与えられた86,000円をどう使うか」で人生が大きく変わると思えるのなら、「平等に与えられた86,400秒をどう使うか」も、もっと強く意識しなければなりません。
自分の時間の大切さを意識している人は少数
「平等に与えられた86,400秒をどう使うか」と強く意識すると、多くの人が「自分への投資をするべきだろう」の価値観に至ります。
自分の経験やスキルアップのために時間を使う。それはたしかに有意義です。この言葉を聞いたほとんどの人が納得する説得力があります。
しかし、私たちはなかなか有意義に時間を使えません。経験やスキルアップに時間を使うどころか、たいして興味のないテレビや動画をダラダラと観て、たいして美味しいとも感じないビールを飲んでゴロゴロします。
その間、あなたの86,400秒は一刻一刻と減っているのですが、まったく意識することのないまま一日を終える人が大半でしょう。
時間の大切さを思い出すコツ

流れた時間は二度と戻ってこないと知りながらも、私たちは時間の大切さを忘れがちです。
しかし、時間の大切さを知らないわけではありません。あなたにも、目の前の時間が貴重に思えた経験は何度もありました。
たとえば、学生時代にテストを受けているとき、何度も「あと10分あれば」と思ったでしょう。
お互いに忙しい中、時間を工面して1時間だけ恋人と会うとき、その1時間はとても貴重に感じられたはずです。
無理なスケジュールで仕事を任されたとき、「せめてあと1日あれば」と思ったこともあるのではないでしょうか。
「自分の時間を大切にできていないな」と思えるのなら、かつてあなたが時間を貴重に感じた瞬間を思い返してみてください。そうすれば「今日1日をいつもよりも有意義に過ごそう」と思えるようになります。
自分の時間は自分のために使おう

あなたに最も意識して欲しいのは、自分の時間を自分のために使うことです。友人と会う時間も、あなたがその友人に会いたいのなら有意義なものになるでしょう。しかし、とくに会いたくもない友人に会う時間は無駄でしかありません。
先ほどはダラダラした時間を否定的に捉えましたが、あなたが「ダラダラしたい」と願うのなら、それはそれで有意義な時間になります。ときには心のリフレッシュのために、ダラダラとした時間も必要です。
「時間を有効に使おう」とか「時間を大切に」と言われると、自分の成長のために時間を使わなければならないように感じるかもしれませんが、そうではありません。自分のために使っている時間ならば、全てが有意義なものになります。
肝心なのは、自分のための時間なのか、そうではないのか。その一点に集約されると言えます。自分の人生を見つめ直すときには、まず今の時間の使い方に目を向けてみてください。