瞑想

簡単にできるマインドフルネス瞑想の効果とやり方

近年、異常気象や自然災害、新型コロナウィルスの蔓延、それらにともなう経済状況や社会情勢への不安などによって私たちは多くのストレスを抱えがちです。そうしたストレスの低減や心の安定などに効果がある「マインドフルネス」をご存じでしょうか?

最近ではマインドフルネスや瞑想に興味をお持ちの方も多くいらっしゃいます。「でもマインドフルネスってなに?」という方も多いかもしれません。そこでマインドフルネスについての理解や効果、そして簡単に日常に取り入れるやり方をご説明します。

マインドフルネスとは?

自然

約2,500年前の原始仏教の瞑想であるヴィパッサナー瞑想を源流とし、宗教色を排除してどなたにでも取り組んでいただける「脳と心のトレーニング」がマインドフルネスです。約40数年前にジョン・カバットジン博士により西洋科学と瞑想を融合した「マインドフルネスストレス低減法」として紹介されたことをきっかけに科学的な研究が行われ、そのストレス低減効果が次々と証明されています。

マインドフルネスの定義は「評価や判断を加えることなく、今この瞬間の経験に気づいていること」です。一瞬一瞬の自分を取り巻く状況や心身の反応に気づき、それらに対してジャッジをせず、ありのままに気づいていくことを実践することです。

マインドフルネスの実践により、湧きおこる心配や不安、恐れ、怒り、悲しみなどの心の揺れ動きにとらわれることなく、自分自身の本当に大切にしたいことや、やるべきことに集中できます。

簡単に理解できるマインドフルネスの効果

太陽

マインドフルネスの効果としてあげられるものには以下のようなものがあります。

  • 心の安定
  • 集中力や注意制御力の向上
  • 観察力の向上
  • 感情調整能力の向上
  • ストレスの低減(ストレスを「ストレス」と捉えにくくなる)
  • 客観的な視点や洞察力が育まれる
  • 自他への思いやりや共感力が育まれる(EQ(心の知能指数)の向上)
  • 安眠効果
  • 意志力や判断力などが育まれるなど

これらの他に様々な研究結果により「脳疲労」の軽減や、普段は働いていない脳の部位に血液を送り活性化させることができます。低下していた脳の機能を取り戻し、実際に脳の一部の厚みが増すことが実証されているのです。

自分や他人の思考や感情を理解する力が高まり、自己コントロール能力が高まる効果もあります。また、脳内の海馬と呼ばれる部位の容積が密集することで、認知障害や記憶障害の防止なども期待されています。

マインドフルネスのやり方

瞑想

それでは、簡単に日常のなかで実践できる代表的な実践法をご紹介します。

マインドフルネス瞑想の基本「呼吸瞑想」

  1. クッションや座布団などの上に浅く座り、座骨(骨盤の底にある2つの突起する骨)に均等に体重をかけ、骨盤が立ちやすい座り方を選びます(あぐらや安楽座、蓮華座など、またつらい方は椅子に座っていただいても構いません)。
  2. 下腹(臍下丹田)を軽く引き入れながら、身長計を上に押し上げるように頭頂部を軽く上へ押し上げます。心地よい程度に背筋を伸ばしたら、肩の力を抜き、手を膝や太ももの上に置きます。
  3. 目は軽く閉じるか、斜め下の1点をやさしく眺めるようにします。
  4. 鼻先に意識を向けて、呼吸のコントロールを手放し、鼻の穴を通る自然な呼吸の流れに意識を向けます(分かりにくい方は吸う息で膨らんだり凹んだりしているお腹や胸の動きを感じてみます)。
  5. 呼吸から意識が離れ、考え事をしていたり、何かに気を取られていることに気づいたら、そんなご自分を責めたりジャッジをしたりせずに、また中心対象である呼吸に意識を戻します。

4~5の繰り返しを数分間おこなうことで、少しずつ集中力が増して心が安定しやすくなります。

疲労感があるときや質の良い睡眠へも効果が期待できる「ボディスキャン」

瞑想
  • 仰向けになり、腕を身体から少し離して手のひらを上に向けます。脚は腰幅程度に軽く開き、ご自分ができるだけリラックスできる姿勢を見つけます。目はやさしく閉じます。
  • 数回深呼吸をして、吐く息で身体の力を手放し、床に完全にゆだねます。
  • 身体と心が落ち着いてきたら、自然な呼吸に戻します。
  • 意識を左の足先に向けます。左足指の一本一本に注意を向け、そこで感じる感覚に意識を向けます。体温や脈動、痛みや違和感などそのままの感覚を感じるようにします。何も感じなければ「何も感じない」ということに気づくだけで充分です。
  • 続いて意識を左の足の裏、足の甲、足首、ふくらはぎや脛、膝、太ももと、まるで身体をスキャナーにかけるかのように身体のパーツ一つ一つに意識を順番に向けていきます。ただありのままの感覚を観るようにし、その感覚を変えようとはせず、自分自身の心や身体にジャッジすることを手放します。
  • 今度は右足に意識を向け、左足と同じように右足先から太ももまで意識を順番に向けていきます。
  • 続いてお腹に意識を向け、そこで起きている感覚をただありのまま感じます。例えば呼吸によって上下するお腹の動きや腸の動きなども感じることができるかもしれません。正解はありませんので、ご自分の感じることをそのままに、ただ感じることが大切です。
  • お尻→腰→背中全体→胸→肩→肩から肘→肘から手首→手のひら→手の甲→指→首→顔全体→頭全体と、順番にゆっくりと意識を向け、身体の感覚をありのままに感じるように意識を向けていきます。

 全身をスキャンできたら、最後に身体全体に意識を向けながら、全身で呼吸しているかのように身体と呼吸を味わいます。

マインドフルネスを続けるためのポイント

海

マインドフルネスとは「今、ここ」に意識を向けながら、起こっていることに「良い・悪い」といった判断を加えずに、ありのままに気づき受け容れていくことです。慣れるまではたしかにわかりにくく「これでいいのかな?」「私にはマインドフルネスは向いてないのではないか」と思ってしまうかもしれません。しかし、最近はマインドフルネスについての書籍やアプリも次々と登場し、さらにオンラインや対面でのマインドフルネス講座などでも気軽に始められます。

効果を期待しすぎず、短い時間でも毎日コツコツと続けていきましょう。大事なのは、継続すること。そして、継続できれば必ず効果は表れます。ぜひマインドフルネスの実践を通じて、あなたらしい幸せと健やかな日々を築いてください。

この記事の著者

Mentally 編集部
Mentally 編集部 Posted on

自分を好きになれるアプリ「Mentally メンタリー」↓↓↓

2022年1月にアプリをリリースしました