仕事、家事、子育て……人にはそれぞれ『やるべきこと』や『やらなければならないこと』がたくさんあります。しかし、やるべきことをこなすだけの日々が繰り返されてしまうと「私の人生の目的ってなに?」と疑問を感じてしまうかもしれません。実際、人生の目的が見えない方は大勢いるでしょう。そんな方に向けて、マインドフルネスの視点から自分の人生の目的を見つけて充実した日々を過ごすヒントを紹介します。
幸福を感じる力を高めるマインドフルネス

すべての人々に共通する願いとは、一体何だと思いますか?それは『幸福になること』です。お金を稼ぐのも家庭を持つのも、それぞれの「幸せになりたい」の気持ちからの行動でしょう。
でも、幸せや喜びを感じる瞬間は長続きしません。不安や不満、疑問や虚しさを感じる時間のほうが圧倒的に長いのです。「なんのために生きているんだろう?」「自分の人生ってなんのためにあるのだろう」と感じる瞬間さえ、多くあります。
もしも、そのような感情があなたの心に芽生えているのなら、マインドフルネスを試してみてください。マインドフルネスは、心と脳のトレーニングです。ストレス低減や能力向上、脳疲労の軽減、メンタルヘルスに効果があると、科学的にも立証されています。幸福を感じる力を高められるツールとも言えるでしょう。
ジャーナリング:自分の本当の思いに気づく

人にはそれぞれの価値観があり、何に幸福や喜びを感じるのかは千差万別です。人生の目的も人それぞれでしょう。
今、『人生の目的』という言葉にドキッとした方もいると思います。ドキッとした理由は、自分の人生の目的がよくわかっていないからではありませんか?
自分の人生の目的がよくわからない……そういう人は、是非マインドフルネスの手法の一つ、ジャーナリングを試してみてください。ジャーナリングを通じて自分の本当の気持ちを知れば、自分で人生の目的を見つけられます。
簡単に理解できる:ジャーナリングのやり方
ジャーナリングは『書く瞑想』とも言われています。頭のなかにあること、浮かび上がってきた思考や感情などをそのまま紙に書き出していくのが、ジャーナリングだからです。
ジャーナリングを始めるにあたり紙とペン、そしてタイマーを用意してください。準備ができたら、まず時間を決めましょう。初めは2分くらいを目安にすると良いです。タイマーを動かしたら、頭に浮かんだ全ての感情を文字にします。ポジティブな言葉、ネガティブな言葉、あまり意味のない言葉……全てを書いていきましょう。
何も浮かばないのなら「何も浮かばない」と書けば良いです。「手が疲れた」「意味あるのかな?」「2分が意外と長い」……こんな言葉でもOKです。とにかく、あなたの頭に浮かんだ全ての感情を言葉にしていく。それがジャーナリングです。大切なのは、手を止めないこと。それだけは意識してください。
ジャーナリングの効果

ジャーナリングには以下の効果があります。
- ネガティブな思考の反芻(ぐるぐる思考)を抑制できる
- 妄想に気づく力が高まる(現実と妄想を識別できる)
- 雑然としていた思考や感情などを整理できる
- 自分の状況を客観的に把握する力が育まれる
- 思考や感情の癖などを可視化できる
ジャーナリングを通じて、自分の頭の中を見るのが目的です。自分を客観的に捉えたり、より良く自分を知る方法として役立ちます。
ジャーナリングの目的①:『すでにある幸せ』を見つける
自分の人生の目的を見つける前に、まずはジャーナリングですでに自分が手にしている幸せを改めて確認しましょう。何故か、多くの人が『自分にないもの』ばかりに目を向けますが、『自分にあるもの』を知る作業も大切です。
『すでにある幸せ』の見つけ方
- 紙とペン、タイマーを用意します
- タイマーを2分と設定します
- 『感謝していること』をテーマに思い浮かんだことをすべて書き出します
- タイマーが鳴ったら、終了です
手を止めて、書き出したものを見てみましょう。『感謝していること』をテーマにさまざまなことが書けたと思います。たとえば、健康な身体があること、仕事があること、ご飯が食べられること……などなど。
「こういうところに感謝できるのは良いこと」とか「感謝できるものが少ないからダメ」と、ジャーナリングの結果を批評する必要はまったくありません。純粋に「今の私は、こういうものに感謝をしているんだ」と知るだけで良いです。
また、今あなたが書き出したものは全て『すでにあなたが手にしている幸せ』だと考えてください。当たり前だと思っていたものも、よく考えれば幸せなことと思えるものがいくつもあるはずです。ジャーナリングを通じて「意外と多くの幸せを手にしている」と気づける人も多いのではないでしょうか。
ジャーナリングの目的②:『自分が本当に大切にしたいこと』に気づく
次は『自分が大切にしたいこと』をジャーナリングで確認していきましょう。やり方は、先ほどとほとんど一緒です。
『大切にしたいこと』の見つけ方
- 紙とペン、タイマーを用意します
- タイマーを2分と設定します
- 『大切にしたいこと』をテーマに、思い浮かんだことを全て書き出します
- タイマーがなったら終了です
健康やお金、家族、友人、恋人……いろいろな物を挙げられたかと思います。ここでも「たくさん大切なものがあったからよかった」とか「あまり大切なものが見つからなかったからダメだった」とジャッジはしないでください。
さて、ここまでを終えたら「もし今日が人生最後の日だとしたら、自分の人生でやり残したことはなんだろう?」と問いかけるのです。
すぐに明確な答えは出ないかもしれません。しかし、このジャーナリングを何度も行うと『本当に自分が望んでいること』や『自分の人生の目的』に気づきやすくなります。
ジャーナリングで人生の目的に気づく

禅・マインドフルネスの実践者として有名なスティーブ・ジョブズ氏は、日々に限りがあることに気づき、今日が最後の一日だと思うと人は与えられている日々の貴重さに気づき、そこに感謝の念を持って生きることができ、自分が本当に大切にしたいことに邁進することができると伝えています。
自分自身がどんな生き方を望んでいるのか……そこに気づけるようにマインドフルネスのジャーナリングを紹介しました。あなたがあなたらしい人生を歩めますように、心から願っています。